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ソードアート・オンライン〜ニ人目の双剣使い〜
二度目の決意
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と、だったよね?」

「うん、そうだよ?」

ナーヴギアさえ発売されていない時期からVRを使う方法はざっと考えて四つくらいある

一つ目、この少女が自衛隊もしくは警察組織の人間だった場合。VRは元はといえば軍事のために作られた
そのテストプレイヤーとしてVRを使っていたならこのVR歴の長さも頷ける
しかし……どう見たってそんな荒事をするような性格には見えない

二つ目、開発時期のモニターをしていた場合
これもあり得ない。モニターは政府関係者がやっていただろうし、そこから一つ目の理由のために不可だ

三つ目、医療用のVR機器、メディキュボイトを使っていた場合
これならマリオネットの様な動きも説明がつく

四つ目、目の前の彼女がペテン師の場合
……仮にも巨大企業の跡取り息子として、英才教育を受けた俺を騙せるようなペテン師なんてほとんどいないだろうが

ざっとこのくらいかな
先程の石碑に刻むという言葉から察するに三つ目の可能性が非常に高い

名を刻む。言い換えれば足跡を残す
足跡を残したいと思うのは余程自己顕示欲が強いか、あるいは……最後に有終の美を飾りたいか

まあ……彼女がメディキュボイトの被験者でターミナルケアを受けてるってことは確かだな

「なら、俺が連れていこうか?」

自分でも知らないうちにそんな言葉が漏れていた

「え……そんなの悪いよ……」

「どうせアルンまで行こうとしていたからな。問題ない」

「んー……じゃあお願いします! ボクはユウキ。よろしくね」

ユウキ……名前の響きからして俺や明日奈と同じ人種か……(本名をそのままキャラネームにしているという意味で)

「俺はリンだ。少しの間だがよろしく頼む」

満面の笑顔を浮かべたユウキと握手をして、パーティー申請を送る
ユウキとパーティーを組み門を出たところで自身の行動の理由に気が付いた

―――ユウキは詩乃とどこか似ているんだ―――

容姿や性格は全く似ていない。それこそ正反対と言っていい
しかし
笑顔に潜む拒絶
目線に混ざる憧憬
動きに絡む絶望
笑い声に溶け込む達観

詩乃が氷の中に隠していたのと同じように、ユウキもまた陽の中の影のように様々な負の感情を閉じ込めている

「全く……俺はすべてを救えるヒーローじゃないぞ?」

「リン、なんか言った?」

「いや、何でもない」

それじゃ、詩乃のときと同じようにヒーローの真似事でもしてみましょうかね

ったく、柄にもない
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