二度目の決意
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を出ようとしたところで呼び止められた
そちらに目線を向けると紫色の髪を揺らし、腰に初期装備と思わしき片手剣を下げた少女がいた
「この世界で名前を刻めるようなところってある?」
「名前を刻む?」
名前を刻むといえば新生アインクラッド第一層にある石碑だろうか
デスゲームだったときにはプレイヤーすべての名前が刻まれ、死亡した場合は死因とともに名前に横線が引かれる
恐怖の対象であったそれは、今はアインクラッドの階層ボスを倒した者の名前が刻まれるようなものになっている
「名前を刻むと言えば新生アインクラッドにある石碑かな。階層ボスを倒した者たちの名前が刻まれているはずだ」
俺の名前もあったりする
明日奈の暴走に付き合わされたいつもの面々が交代でチームマスターやってたから、全員刻まれている
「新生アインクラッド? どうやって行くの?」
「飛んでいくんだよ。今はアルンの上空にある」
「そうなんだ。ありがとう! とりあえずアルンに行ってみるね!」
「ちょっと待て」
「ぶっ?!」
そう言って東門からフィールドに翅を広げて文字通り飛び出そうとする
しかし、初期装備(耐久値的な意味で)でアルンへは行けないだろう
トレインをすれば別だろうが(敏捷があれば)そんな非マナー行為を容認するのは論外だ
よって、そんな理由からインプの女性プレイヤーを引き止めるために服を掴もうとした
……のだが、予想以上に速く服ではなく足首を掴んでしまい、結果として俺の腕を基点に回転モーメントが発生。地面に愉快な声とともにキスを捧げることと相成った
「ひ、酷くない?!」
「君が速いのが悪い」
まさか、俺の速度とほぼ同等の速さが出せるとは思わなかった
「それでボクに何の用?」
「その装備でアルンにまで行く気か?」
「うん、ちょっと見てくるだけだよ?」
「アルンまでの道のりは厳しいぞ? 途中のモンスターはトレインするにしても、かなりVR歴が長いことが絶対条件だ」
元々の才能があった場合は別だが、敢えて言わない
このプレイヤーはどこかちぐはぐなのだ
初心者装備とアバターの動きのギャップ、動き方……どこかマリオネットのような……
「それなら大丈夫だよ。ボクはこう見えてVR歴は長いから!」
「ふうん……最低でも四年くらいはいるらしいが本当に大丈夫か?」
もちろん嘘だ
四年なんてアミュスフィアは疎かナーヴギアさえ発売されていない
俺がそう言うと彼女は顔色を明るくし、元気よく口を開けた
「なら大丈夫だね! ボクはもう四年以上もVRをやっているから!」
かかった。これまた見事に誘導尋問にひっかかってくれた
「なるほど……。それで目的は石碑に名は刻むこ
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