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我が剣は愛する者の為に
討伐
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部隊は離れ、最低限の部隊しかここにはいない。
何せ、部隊を半分に分けたのだ。
大体五百くらいしかいない。

「縁兄ちゃん。」

「ん?
 どうした、季衣。」

作戦の行動中に季衣は俺に話しかけてきた。
傍には華憐もいる。
許緒――季衣は俺達に真名を預けてくれた。
華琳達も自分の真名を預け、俺も預けている。

「縁兄ちゃんはこうやって戦うの初めて?」

「二回目だな。
 そう言えば、華憐は?」

「私も姉さんと一緒に何度か。」

右手には大きな盾があり、面には髑髏が描かれている。
その武器は見ているだけで何やら畏怖させる。
人見知りで引っ込み思案だが、武器がそれを感じさせない。
話に聞いた所によると、盾の先端には一メートルくらいの剣が収納されているらしい。
つまり、あの武器は攻防が一体となった武器である。
曹仁は史実通りなら知力、武力共に高い。

「あ、あの・・・どうかされましたか?」

じっと見つめていたらしく、華憐は顔を赤くしながらおどおどと聞いてきた。

「悪い、気にしないでくれ。」

「?
 縁さんがそう言うのでしたら気にしませんけど。」

軽く首を傾げる華憐。
俺達が喋っていると桂花が持ち場につけ、というお叱りを受けた。
話を止め、盗賊団がいるであろう砦の前に展開する。
戦いの野に激しい銅鑼が鳴り響く。
戦う意思を象徴するように銅鑼を鳴らすと、砦の城門が開かれ咆哮を上げて盗賊団はこちらに突っ込んでくる。
もしかしなくても、賊達は今の銅鑼を聞いて出撃の合図と勘違いして、こちらに突っ込んでいるらしい。

「あまり刺激のない戦いだと思っていたけど、面白味はあるようね。」

賊の馬鹿さ加減を見て、くつくつと笑いながら胡蝶は言う。
胡蝶は笑っているが俺は重いため息を吐いた。
あんな奴らに力のない人達が苦しんでいると思うと、ため息の一つも吐きたくなる。

「縁殿、呆れている場合ではありません。
 こちらは少数、相手はおそらく全軍で突っ込んできています。」

豪鬼の声を聞いて、思考を切り替える。

「作戦通り、適当にいなして下がる。
 全軍、無理はするな。
 引き付けるだけにしろ。」

応っ!、という頼もしい声が兵士から発せられる。
彼らも俺の指揮が先頭で指示を出すのを認めてくれた。
隊列もないもない本当に突っ込んでくる盗賊団を俺達は受け止め、出鼻を挫いた。





「報告、曹操様の本体、後退しました!」

「ほう、予想以上に後退が速いな。」

「まさか、華琳様に何かあったのか!?」

「黎、今すぐ駆けつけるから待っててね!!」

報告を聞いた星が意外そうに声をあげ、春蘭と優華は単騎で本陣に向かおうとする。
寸で
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