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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十四話】
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 張るほどの胸が無いのが残念にしか思えなかった、けして本人には言えないが。


「……………」

「い、言ってくれますわね……」

「まあまあ、セシリア落ち着いて落ち着いて」


 そう宥めたのは隣にいる美冬だ。

 黙って頼んだ料理を食べ終えて、織斑たちの様子を見ていたようだ。


「セシリア、落ち着きなって。彼女が強いって言うならいいじゃん。勝負する機会があれば、その時にセシリアの実力見せればいいんだし」

「……そ、そうですわね。ヒルトさん、美冬さん、お見苦しい所をお見せしてごめんなさい」

「気にするなって」


 怒りの沸点が下がったのか、落ち着きを取り戻したセシリア。

 そんな俺たちの様子を無視し、凰鈴音は織斑の名を呼んだ。


「一夏」


 ラーメンをすすっていた凰鈴音は、どんぶりを置き、身を乗り出して――。


「アンタ、クラス代表なんだって?」


「っ!? ゴホッゴホッ!!」

「はあ? なあ鈴、誰から聞いたんだ?」


 思わず、目を見開き咳き込む俺。

 いつの間に織斑が代表になったんだよ…。


「え? 二組ではアンタが代表って聞いたけど?就任パーティー開いたって――」

「凰さん。残念だけど織斑くんは代表じゃないんだよ。お兄ちゃんが、一組代表なんだ」

「はあっ!?……アンタが…?」

「……ああ、悪かったな、織斑じゃなくて」


 此方をまじまじ見たあと、すぐに織斑の方へと顔を向け直す凰。


「あ、あのさぁ。ISの操縦、見てあげてもいいけど?」


 凰は織斑に言うと顔をそらし、視線は織斑に向けていた。

 言葉は歯切れが悪そうに聞こえた。


「そりゃ助か――」


 織斑の言葉を遮るように、テーブルを叩く音が食堂に響いた。

 叩いた張本人は、篠ノ之だ。


「一夏に教えるのは私の役目だ。頼まれたのは、私だ。それに…敵の施しは受けぬ」

「……別にいいんじゃねぇか、篠ノ之?」

「なんだとっ!?」


 俺がそう言うと、篠ノ之は此方を睨み付けてきた。

 睨み付けるの好きだな、篠ノ之って。


「篠ノ之がどうこう決めることじゃない、織斑自身が決めることだからな」

「うっ……」

「へぇ……。アンタ良いこと言うわね」


 押し黙る篠ノ之に、感心したように頷く凰。


「凰、別にあんたに味方した訳じゃない。決めるのは織斑自身だからな」

「お、俺がか?」

「当たり前だろ? お前自身の問題だからな――さて、飯も食ったし教室に戻ってうだうだするかな、これが」


 そう織斑たちに告げると、俺は食べ終えた大量の料理の皿をま
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