勝利と平和 〜希望の翼編〜
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ユイラはモニターを見つめたまま微動だにしない。
「この役目は君にしかできない事なんだ」
「あぁ…」
「サユイラ…こんな事は言いたくなかったが…」
ミシェルはうつむき、悲しげに言った。
「君はサユイラとしてではなく、ミリアルド・ピースクラフトの面を使ってこの作戦を成功させてくれ」
予想外の言葉にサユイラは仮面の下の目を見開いた。
「エルヴは助ける…しかし今作戦をもって私はOZから去ります」
サユイラはそう言うと、ドアを開いた。
「すまない、サユイラ」
「あなたにだけは言われたくなかった」
その一言を言い終わるか終わらないかのところでドアが閉まった。
(サユイラ…!!)
ミシェルはドアの向こうを見つめた。
数分後、艦内にアナウンスが流れた。
「総員に告ぐ、20分後に作戦を開始する。作戦終了後、地球に攻撃を仕掛ける。各自全力で戦うように!!」
アナウンスの声はミシェルのものだった。その声を聞きながらサユイラはエピオンUが格納されている格納庫に向かった。
エピオンUに乗り込むとヘルメットをかぶり、システムの確認をはじめた。
サユイラがコードを入力すると左右からアーマーのようなものが装着された。
「大気圏突入用装備に換装完了、輸送船およびカプセル射出完了。システムクリア、オールグリーン」
コックピットがモニターの光で満ち、電子音が響いた。
「これより、ファーストフェイズを開始する」
宇宙空間移動用補助ブースターを装着したカプセルが蒼く輝く地球へと飛び立った。
地球・JPNエリア053ポイント。そこはここ数十年間、人が出入りをしていなかった無人島である。そんな053に一軒の施設があった。施設というより、基地といった感じで、屋根に巨大なパラボナアンテナが付いていた。
基地内の部屋に4人の金髪の少年がいた。
「みんな!兄さんが地球に来るって!」
涼しげで凛とした声でコンピューターモニターをみながら言った少年は柔らかで、どこか貴族のような雰囲気をかもしだしている。
「本当か!?クアトロ!!」
「フアラの言ったとおりだな、デュアル」
後頭部から伸びた1本の三つ編みをいたずらに揺らし、無邪気な声で振り返る少年とハンモックで寝ていた中国系の顔の冷たい声の少年が言葉を交わした。
「五神、機体のメンテナンスを始めよう」
前髪が右目を隠した落ち着いた少年がそういって、席を立った。
「あ、トリントン、僕がさっきやっておいたよ」
クアトロと呼ばれた少年が笑顔で歩いてきた。
「早く見せてやりてェな、再誕した俺たちの死神を…」
いたずらに目を光らせたデュアルと呼ばれた少年が不気味な笑顔お見せながら言った。
地球軍月面基地の格納庫では、忙しく作業が行われていた。
「特尉のおっしゃったように、
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ