13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
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声とともに限界まで引き絞られた弦が矢を弾く。3本連射された矢はうち2本がジャギィの躯に突き刺さった。今度こそ倒れたジャギィは起き上がることなく、弱々しい声とともに呼吸を止めた。
側に構えて双剣を抜いていたリーゼロッテも、ほっと息をついて刃をしまう。そのまま2人は黙々と剥ぎ取り作業に入った。
ナギは岩壁にもたれながら持参した投げナイフを弄っている。
「まずは3頭…ね」
「あと17頭! 行こっ」
最後の1頭にやや苦戦したものの、双剣のデビュー戦としては中々良いスタートを切ったリーゼロッテはずれた帽子をかぶり直しながら気合を入れ直した。
薄暗い森とも取れるエリア5。大きな切り株の周りにはジャギィがちょうどガーグァの食事にありついているところだった。幸いドスジャギィの姿はないから、先に食べ終わってエリア移動をしたのだろう。
「ハァ!」
先ほどよりも数が多いがなんのその。再び切り払いで群れに切り込み、右からタックルをかましてくるジャギィの攻撃を前方に転がって避ける。立ち上がってすぐに二連斬り、勢いよく遠心力に身を任せ回転斬りすると、ジャギィは後方、エリザの足元に吹っ飛んだ。即座に近接攻撃でエリザが沈める。
リーゼはその様子を見届ける間もなく次のジャギィの攻撃を交わし、カウンターで斬り払い。再び背中に一撃もらうが直ぐにエリザの矢でそのジャギィも息絶えた。
直にエリア5のジャギィも狩り尽くし、2人はそのままエリア6、浅瀬の河と滝があるエリアへと足を向ける。息が切れてはいるが、肩で呼吸をするほどではない。体力に余裕はまだあった。
大きな切り株の上に座ってその様子を上から眺めていたナギは、よっと飛び降りると、2人の後をついて行く。その顔は満足そうに微笑んでいた。
「ふぅ……ジャギィは2頭ね」
「ジャギィノスも1頭か…先にそっちをやったほうがいいかも」
「タックルが厄介だものね。あたしが注意を引くから、あんたは後ろからノスを仕留めて」
「引き付けるならわたしが…」
「あたしじゃ決定打を与えられるような攻撃力を持ってないのよ。逃げ回ってるから、その間にやって」
「わかった」
すり足で河の中へリーゼは入り、じっと息をひそめる。エリザが力を溜めずに矢を水浴びをしていたジャギィノスに向かって射った。ノスの背中に当たった矢は、しかし固い皮に阻まれてかすり傷をつけるに終わる。3頭は怒りの鳴き声をあげると、一目散にエリザへ向かって走っていく。
ダッと、リーゼが駆け出した。水を跳ねさせながらも、以前ここに来た時のように河底の石をひっくり返して転倒なんて格好悪いことはしない。ナギとの修行の中に、渓流の河の中をひたすら走るというものもあったのだ。走りにくく水の抵抗のあるところを1日中へろへろになるまで走らされ、リ
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