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Monster Hunter ―残影の竜騎士―
13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
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回転攻撃を受け止める修行(防御力の向上につながる)や、ユクモの堅木を一撃でかち割る修行(総合的に攻撃力の上昇が見込める)をしているのだ。一撃である。ユクモの堅木でそれを行うのは、一般的に獣人族よりも筋力はあるだろう人間の成人男性がやっても厳しい。鍛冶職人は別である。
 そんなルイーズが「その弱っちい根性を叩きニャおしてやるニャ!」と鼻息荒く言った相手はもちろんハーヴェストで、どうにか臆病“すぎる”性格を、ただの“臆病”に治すよう努力しているらしい。具体的に何をやっているかは知らない。だが、最初ナギの庭でわんわん泣いていたハーヴェストが、それでも修行をやり続けたのには密かに感心していた。なかなか根性があるじゃないか、と理由を尋ねたところ、なんとリーゼの役に立ちたいからだそうだ。それでこそ男だ。思わずマタタビクラッカーをご馳走してやった。目を輝かせて頭を下げるその様はハナとは違った愛らしさがある。ああ、愛でたい。
 チェルシーには「スキルの使い方がニャってニャいニャ。女のど根性で狩りはゴリ押すニャ!!」と言っていた。気合と根性で覚えたいスキルを全てモノにしたルイーズだ。おそらく同じことをチェルシーに要求するのだろう。ご愁傷様としか言えない。チェルシーのハッカの毛並みもメラルーにはない色合いで、ナギにとっては新鮮だった。うむ、可愛い。
 2匹ともこのまま頑張って是非リーゼとエリザの優秀なオトモになってほしい。まだハーヴェストの臆病っぷりの改善は、ルイーズ曰く「にゃふー…まだまだだニャ」らしいが。
 少女達の準備運動がひと段落着いた頃を見計らって、ナギは口を開いた。

「そういえばベースキャンプに着いてから言うのも何なんだけど、2人とも持ち物とかは…」
「流石にそれくらい大丈夫よ。回復薬は一応10個。こんがり肉も持ったし、ジャギィ相手にビンは必要ないし。あとは支給品でなんとかなるわ」
「わたしも研石10個持ちました!」
「よし。今渓流にはドスジャギィがいるみたいだけど、今回の狙いはジャギィ20頭だから無視していこう。会ったら逃げるようにして。じゃあ行こうか。頑張って」

 大型モンスターの狩猟ではない為日帰りの予定だ。渓流は気温もちょうど良いところなので、これといって絶対必要なものはない。狩猟環境もここ最近は安定しているし、何か不測の事態があったとしても、まあなんとかなるだろう。何せここは渓流。ナギのテリトリーなのだから。指笛1つでデュラクもすっ飛んでくる。
 基本的にナギは手を出さず、リーゼロッテとエリザの2人だけで対処するという方針で行くことは、既に竜車に揺られているとき決めたことだ。ベースキャンプを出るところから一切、ナギは助言も何もしない。これが彼の見る最初の2人の狩りだからである。これからの修行の内容を決めるためにも、命に関わる時以
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