暁 〜小説投稿サイト〜
Monster Hunter ―残影の竜騎士―
13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ようと右往左往している。ふたたび勢いよく瓢箪をあおると、ギルドマネージャーは酒臭い口を開いた。

「簡単な話よぅ。チミもハンター登録すればいいのさ。なぁに、名前だけ登録するようなモンだ。別にこっちはチミを取り込もうなんざ思ってねェから、安心しな」
「……そうですね」

 一度師となることを了承した身。やるからにはしっかりやり通したい。ナギはそういう性格だ。

「そういうことでしたら」
「え、いいの?」

 エリザが横から口をはさんだ。断ると思っていたのだろう。それに頷いて、顔見知りになった受付嬢シャンテが用意した用紙にさらさらと文字を書く。特に難しいことはない。名前、性別、年齢、出身地、扱う武器と、オトモアイルーの名前と攻撃方法を書くだけだ。

(ナギ・カームゲイル、男、22歳、出身地は旧大陸ポッケ村…と)

「22歳ね…」
「旧大陸出身だったんですか! 船に乗ってこちらに? あれ、でももう7年間渓流に住んでるって……」
「ああ。子供の頃に、な。…武器は、太刀と弓、と。オトモアイルー…メラルーだけど、まあいいか。名前がルイーズ、近接のみ。あとはサイン…っと。これでいいのか」
「うぃ〜ヒック。よしよし、これでチミも晴れてハンターの一員だ。といっても、まあ特に義務とかはないから、気にせんでもいいぜ。ウン。じゃ、依頼は3人の新人ハンターが受けたっちゅうことで。気をつけて行ってこい」

 “新人ハンター”という慣れない呼称にこそばゆさを感じながらも、会釈をしてまた門へ行く。門前の石階段には、行きにはいなかった青年が目をこすりながら座っていた。エリザが「げっ」というのに対し、リーゼは笑顔で青年の名を呼ぶ。

「あ、ロウェルさん!」
「おう。おはようリーゼちゃん、エリザ。今日もユクモ村の平和は…ん? 見慣れない顔だな。湯治客かい? む、その目つき、物腰、ただ者じゃないな! 怪しい奴! ちょっと待ってもらおうか!」
「え、あ、ちょ、ロウェルさん、落ち着いて――」
「ここはユクモ村。温泉が売りの、のどかで平和な村だ。ゆえに! 怪しい奴は通すわけにはいかねえ。このオイラの目が黒いうちはな!!」
「ちょっと、ロウェル。待ちなさいよ。…聞いてんの?」
「たとえ、凶悪な相手だろうと! 村の平和を守るため! 勇猛果敢に立ち向かう!」
「おーい、ちょっと。ロウェール?」
「泣く子も黙るユクモの鬼門番といえばオイラの痛デデデデ!!」
「おだまりっ」

 耳を掴まれてぐりぐり捩じり上げながら、エリザが冷たい目でロウェルを見た。まるで、道端に落ちている石ころを見るように。
 ひどい! よよよと崩れ落ちたロウェルを、エリザの冷たい視線が追う。まるで道端に落ちている虫の死骸を見るように。

「ランク下がった…!」
「大丈夫よ。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ