13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
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に帰還を喜ばれた。その次にナギに目を向け、いい年したオバサン方がぽっと頬を染めたり、バンバンと腕を引っぱたいて「リーゼを頼むよ」と言ったり、兎に角ナギもだんだん村に受け入れられつつあるようだった。
「おかえりー。どうだった?」
カウンターの受付嬢はピンクの制服を来た、リーゼとエリザの友人の少女、シャンテ・ブリアトーレだ。笑顔で対応し、慣れた手つきで鑑定をしていく。十分も経たずに呼ばれると、クエスト達成の報酬と領収書を渡された。行ったパーティの代表(今回はリーゼロッテ)のサインをすると、銀と銅のコインが詰まった巾着を渡された。これが今回の報酬の1800zだろう。リーゼロッテは3回数えて900zを自分の懐に入れると、残りを大切そうにポーチにしまった。事前にナギの分の報酬はいらないと話してある。恐縮しながらも、リーゼロッテは自分で稼いだ小遣いを見て嬉しそうである。双剣がうまくいったこともあるだろう。
カウンターを離れ、最後にひとっ風呂浴びてから帰るかと出口へ向かったとき、ちょうど扉を開けて集会浴場に入ってきた1人の男と目があった。赤い防具を纏ったままの、長身の男だ。
「あ、カエンヌさん……」
となりのリーゼが声を上げる。困惑気味の声だった。どうやら帰還を両手を上げての歓迎というわけではなさそうである。
「ただいま、リーゼちゃん。その男が君に双剣を勧めたっていう奴? ……ふぅん、防具もつけずにクエストに行くなんて、すごいなぁ。僕にはとてもじゃないけど無理だ。いやぁ、すごい。すごい」
白々しい賞賛と拍手。
どうやら、ナギもこの男には歓迎されていないようだ。
「この村に住んでいるわけではないらしいけど、リーゼちゃんとエリザの手ほどきをしてるんだって、聞いたよ。僕にもちょっと手ほどきしてもらえる?」
(……おいおい、マジか)
一日はまだ、終わらない。
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