13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
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い。白い帯で腰辺りを絞られ、ややたるみをもって胸元はそれなりにはだけさせていた。その上からはおそらく同じ型の濃紺の服を、袖を通さず肩に羽織っている。
エリザとリーゼロッテの鍛錬を手伝っている時から、布の色は変われどもいつも同じ服装だった。流石に今日は防具を着てくると思ったのだが、その服――と、そこでエリザはハッと思い出した。
「あ、はんてん!」
「は?」
「あんたのその服、はんてんに似てるんだわ。前からずっと気になってたのよ。あんなにモコモコと綿は入ってないけど、はんてんの裾が長いのね! ああ、すっきりした」
「ああ…」
エリザが何を言っているのか理解したナギは、ふっと笑った。そういえば村人は皆違う服を着ている。上は女性と一緒だが、下はズボンが一般的だ。彼らにとっては見覚えの無い服なのだろう。
「これは着流しといってね。まあ、俺の故郷の民族衣装というか、そんな感じさ」
「ふうん……。…あ、違う。あたしが言いたかったのはそれじゃなくて、あんたハンターじゃないんでしょ? だったら急いでハンター登録してこないと!」
「え?」
「ひょっひょっ」
ナギが聞き返した時に、しわがれた声が彼の真横から聞こえた。エルザはびっくりして飛び上がる。ナギも表情には出さなかったものの、内心の動揺は大きかった。
(いつの間にここにいた!?)
「おぅ、チミがナギ・カームゲイルじゃな? アタシゃあハンターズギルドユクモ支部のギルドマネージャーをしておる。気軽にマネージャーとでも呼べぇい」
「あ…はあ、どうも」
竜人族の老人である。垂れた耳と顔中を覆う髭が、どこか小型愛玩犬を彷彿とさせる風貌だ。柳色のベレー帽と同色の服、片手にはおそらく、というか確実に酒が入っているであろう瓢箪を持っていた。側に立たれただけでわかる酒臭さ。今もナギが返事をするあいだに瓢箪をぐいっと煽り、朝っぱらから「うぃ〜ヒック」などと言ってすでに出来上がっているようだ。
ギルドマネージャー、そんなのでいいのか。
「この間の宴会では挨拶できんで悪かったな。あの時ちょぉっと仕事で、近隣の村に行ってたからね。リーゼとエリザを救ってくれてありがとよ。ひょっひょっ。2人とも将来見込みのあるハンターだからな」
「当たり前ね」
「アー、それで、チミ。さっきリーゼが依頼書を持ってきたが、チミもそれに同行するのかい?」
「はい、そのつもりですが」
「申し訳ないんだけどねぇ、ハンターじゃねえ一般人は狩場に行っちゃァいけねぇってのが、ギルドのルールなんだわ。チミは渓流に住んどるから、まあ、ある意味例外っちゃァ例外なんだがな。うぃ〜ヒック!」
えっと声を上げたナギの横で、「やっぱり」と頭を抱えたエリザ。リーゼロッテはの後ろでどうしようどうし
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