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シャンヴリルの黒猫
45話「第一次予選(1)」
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なりました。これより個人部門第一次予選を始めさせていただきます」

 ところ変わってアシュレイ他個人部門出場選手たちは、現在森の入り口に集まっていた。後ろは草原、その向こう、あまり遠くないところにファイザルが見える。今ちょうど9回鐘が鳴り終わったところだった。

「今年度個人部門第一次予選は“兎狩り”です。
 ルールを説明させていただきます。この森と草原には半径3kmほどの円形の結界が張られています。強度はそれほどありません。破壊行為は失格とみなしますので、ご注意ください」

 スタッフの1人が何かぶつぶつ唱えると、魔道具を起動させた。

ヴン...

 明滅をいくらか繰り返すと、やがて淡い青に光る結界が展開される。
 スタッフ数人と選手達は、薄い結界で隔たれた。

「この結界の内側に、40匹のフェアラビットがいます。うち20匹は首に赤いリボンを、20匹は青いリボンをつけているので、すぐお分かりになるでしょう。
 第一次予選内容は、15回鐘がなるまでにフェアラビットを捕獲することです。剣、魔法、罠、なんでも有り。人から奪い取るのも有りですので、ウサギを捕まえたからと油断は禁物です。
 ただし、フェアラビットを殺してしまうと失格です。もちろん、選手の命に関わるような強力な攻撃も禁止となります。
 ここには計61名の選手が集められましたから、うまくいけば、半数以上第二次予選に通過することができます。頑張ってください。
 なお、結界内の様子は飛行型映像転送魔道具で会場に中継されています。壊したら弁償ですから、お気をつけて」

 そこで一旦言葉を切る。深く息を吸うと、腕を振り上げた。

「それでは、予選、開始!」


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