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何故北斗とキャスターがこの校舎で暮らし始めたかというと、実はナインが「SE.RA.PH」で破壊活動を行なった原因がキャスターにあり、そのせいで事件を解決して原因が世間に知られていなくても人前で生活を送るのに引け目を感じたためである。人里から遠ざかり「SE.RA.PH」の片隅に来た二人は、偶然この旧校舎を発見し、それ以来ここで暮らすことにしたのだった。
「部屋の改装も一通り終わったし、大きな事件もないし、ようやく静かに暮らせ……」
ドン!
北斗が安心した表情で言おうとしたその時、まるで彼の言葉を遮るように校舎が一度大きく揺れた。
「な、何だ? 一体?」
「ご主人様! この魔力の乱れは……」
突然大気中の魔力が乱れたのを感じとったキャスターが北斗に呼びかけ、北斗も「ああっ」と答えて椅子から立ち上がった。
「どう考えても今の揺れが原因だな……。調べに行くぞ、キャスター」
「はい。ご主人様」
※※※
魔力の乱れの原因を探っていた北斗とキャスターは、魔力の波長を辿っているうちに旧校舎の一階の隅にある用務員室にとたどり着いた。用務員室の扉は何やら光を放っている上に時折ぼやけて見えて、どう考えても普通の状態ではなかった。
「何だコレは? 昨日見たときは普通だったのに……」
思わず用務員室の扉に手を伸ばそうとした北斗にキャスターが鋭い声を飛ばす。
「ご主人様! ストップです。その扉、異界と不完全な状態で繋がっています。下手に開いたら最悪、世界と世界の狭間に落ちてしまうかもしれません。……少々お待ちを」
そう言ってキャスターは小声で何やら呪文らしきものを呟き始める。すると……、
ガキン!
金属音がした同時に扉の光が消えて、大気中の魔力の乱れも正常に戻ったのが感じられた。
「キャスター。一体何をしたんだ?」
「世界と世界の繋がりを完全なものにして固定したのです。先程の魔力の乱れは世界の繋がりが不安定故に起こったもののようですね。そしてこの扉の向こうはこことは別の異世界に繋がっています。……どうしますか? ご主人様?」
「……とりあえず調べてみようと思う。何もなかったらそれでもいいけど、もし危険な世界と繋がっていたら早めに封印しないといけないからな」
北斗の答えを聞いてキャスターは満足げに頷く。
「はい。それでこそご主人様です。その立ったフラグを残さず回収しようとする首突っ込み型主人公体質なところが大好きですよ♪ ああ、もちろん普段何もしなくてもいつの間にか騒動の中心にいる巻き込まれ型主人公体質なところも愛してますが♪」
誉めているのだか貶しているのだか分からない言動だが、それでも一緒に来てくれる意思を見せるキャスターに、北斗
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