行動開始〜
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ケットからピクシーが顔を出す。・・・って、その顔と呼び方・・・
「え・・・ユイ・・・?じゃあ・・・」
「まさか・・・」
俺達はお互いを指差す。
「和人か!?」
「亮か!?」
なんたる偶然。まさかこんなに早く合流するとは・・・
「おら!さっさと出てこい!」
サラマンダーの声が聞こえる。俺達は一度お互いを見て、頷く。そして草むらから出て、再びシルフとサラマンダーの間に入る。
「な・・・何してるの!早く逃げて!!」
どうやら俺達の防具などで初心者と判断したのか、シルフの少女が叫ぶ。だが俺達は軽く笑っていた。
「重戦士三人で女の子一人を襲うのはちょっとカッコよくないなぁ」
「なんだとテメエ!!」
「ダメじゃないか、本当のこと言っちゃあさあ」
「んだとぉ!?」
「上等だ・・・ニュービーだろうと容赦しねぇ、狩ってやる!」
サラマンダーのランス持ち二人が構える。
「さて、このゲームってPKアリだよね?」
「ああ、そうだったな」
「じゃ、担当は一人一体だね。よろしく、“キリト”」
「こちらこそ、“コウハ”」
擬音を引き抜き、構える。くくりつけられた鈴がチリン、と鳴る。久々にアレを言うか。
「鈴の音は・・・黄泉路を誘う道しるべと思え!」
「ほざけ!」
ランスを構え、相手は突進してくる。
「・・・遅いぜ」
それを身を捻ってかわし・・・そのまま擬音をがら空きのボディに向かって振り抜く。
「斬っ!!」
ズシャアッ!
一撃でHPを削りきり、サラマンダーは赤い炎に包まれる。見るとキリトも一撃で終わらしたようだ。
「・・・手応えないなぁ」
「(亮さん・・・何時もより太刀筋が鋭いような・・・)」
そりゃ、死人が出ないなら剣も真っ直ぐ振れるさ。俺とキリトは剣を残ったサラマンダーに向ける。
「んじゃ、お約束の問いかけだね」
「どうする?あんたも戦う?」
サラマンダーが苦笑した気がする。
「いや、勝てないな、やめておくよ。アイテムを置いてけというなら従う。もうちょっとで魔法スキルが900なんだ、死亡罰則が惜しい」
「正直な人だな」
キリトが笑う。俺は背後を見る。
「シルフさんはどうする?あの人とやりたいなら止めないけど・・・」
「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん」
「正直君ともタイマンで勝てる気はしないけどな」
サラマンダーはそう言って飛び去っていく。残っていた赤い炎も消え、シルフはこっちを見る。
「・・・で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも戦う?」
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