暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
行動開始〜
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ケットからピクシーが顔を出す。・・・って、その顔と呼び方・・・

「え・・・ユイ・・・?じゃあ・・・」

「まさか・・・」

俺達はお互いを指差す。

「和人か!?」

「亮か!?」

なんたる偶然。まさかこんなに早く合流するとは・・・

「おら!さっさと出てこい!」

サラマンダーの声が聞こえる。俺達は一度お互いを見て、頷く。そして草むらから出て、再びシルフとサラマンダーの間に入る。

「な・・・何してるの!早く逃げて!!」

どうやら俺達の防具などで初心者と判断したのか、シルフの少女が叫ぶ。だが俺達は軽く笑っていた。

「重戦士三人で女の子一人を襲うのはちょっとカッコよくないなぁ」

「なんだとテメエ!!」

「ダメじゃないか、本当のこと言っちゃあさあ」

「んだとぉ!?」

「上等だ・・・ニュービーだろうと容赦しねぇ、狩ってやる!」

サラマンダーのランス持ち二人が構える。

「さて、このゲームってPKアリだよね?」

「ああ、そうだったな」

「じゃ、担当は一人一体だね。よろしく、“キリト”」

「こちらこそ、“コウハ”」


擬音を引き抜き、構える。くくりつけられた鈴がチリン、と鳴る。久々にアレを言うか。

「鈴の音は・・・黄泉路を誘う道しるべと思え!」

「ほざけ!」

ランスを構え、相手は突進してくる。

「・・・遅いぜ」

それを身を捻ってかわし・・・そのまま擬音をがら空きのボディに向かって振り抜く。

「斬っ!!」

ズシャアッ!

一撃でHPを削りきり、サラマンダーは赤い炎に包まれる。見るとキリトも一撃で終わらしたようだ。


「・・・手応えないなぁ」

「(亮さん・・・何時もより太刀筋が鋭いような・・・)」

そりゃ、死人が出ないなら剣も真っ直ぐ振れるさ。俺とキリトは剣を残ったサラマンダーに向ける。

「んじゃ、お約束の問いかけだね」

「どうする?あんたも戦う?」

サラマンダーが苦笑した気がする。

「いや、勝てないな、やめておくよ。アイテムを置いてけというなら従う。もうちょっとで魔法スキルが900なんだ、死亡罰則(デスペナルティ)が惜しい」

「正直な人だな」

キリトが笑う。俺は背後を見る。

「シルフさんはどうする?あの人とやりたいなら止めないけど・・・」

「あたしもいいわ。今度はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん」

「正直君ともタイマンで勝てる気はしないけどな」

サラマンダーはそう言って飛び去っていく。残っていた赤い炎も消え、シルフはこっちを見る。

「・・・で、あたしはどうすればいいのかしら。お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも戦う?」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ