第四章 空白期編
第九十五話 『見つめ直す心…復活のエース』
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“我が前に傷つき横たわりし者に医神アスクレピオスの名をもって彼の者に加護を与えん”…」
これはマグダラの聖骸布と同じように言霊を発することで真名開放にまで繋がるもので、なのはの体を少しずつ癒していく。
これこそアヴァロンに並ぶ治癒宝具『医術神の蛇の治癒杖』。
「なにか体が軽くなっていくよ…シホちゃん、これってなんの宝具…?」
「アスクレピオスの杖…ギリシア神話に登場する名医アスクレピオスの持っていた蛇の巻きついた杖よ。
治癒の象徴という概念が刻まれているから使えば対象者を癒す効果を発揮するわ。
これはリンカーコアの損傷までは簡単に治せそうにないけど、でも気休めでも体が治ってくれたらと思って使ってみたわ」
「うん! なにかわからないけど体がリハビリ以上に癒えた感じがする! シホちゃん、本当に色々とありがとう!」
「うん…。よかった。レイジングハートの後なんでなんか悪い気はするけどね…」
「そんな事はないよ。レイジングハートもシホちゃんも私をしっかりと癒してくれたよ…」
「なら、よかったわ」
「シホちゃん、なのはのために色々と手を打ってくれてありがとう…」
「士郎お父さん、気にしないでください。家族じゃないですか?」
「奏者よ。そなたはとても家族思いなのだな。余も嬉しくなってくるぞ」
「そうですね、ネロ」
「でも、その宝具はここだけで使用してよかったですね」
オリヴィエ陛下がそう話す。
まぁリンディさん達が知ったら裏切るってわけじゃないけど私の使える宝具の一つとして報告されかねないからね。
今まででも使って映像に残されている宝具は管理局の上層部に知られていると思うし。
「それにそんな便利な能力だったらシホちゃんは他にもある宝具を頼りにされて色々なところに引っ張りダコにされてしまうからな…それだけが心配だな」
恭也兄さんの心配の言葉に感謝の気持ちになる。
「確かにそうですね…ま、今はなのはの体が快復が早まっただけでよかったと思えばいいじゃないですか」
私の言葉に全員は「そうだね」と返してくれる。
そう、何があろうとなのはやみんなは私が守ってみせる。だけど無茶はせずにね!
◆◇―――――――――◇◆
…それからなのはは元気にリハビリに励んでいき、小学生の六年生に上がる頃に通常生活で普通に生活できるまでに復帰し、リンカーコアも完全に治ってすぐに管理局の仕事を再開した。
でも、もう以前のように考えなしではなく自身の体も考えて無茶はせずに冷静に行動するようになった。
「シホちゃん、私、やっと復帰できたよ!」
「そうね。頑張ったわね、なのは」
「一緒に教導隊に入ろうね?」
「ええ。頑張っていきましょう」
「お姉様! 私も頑張ってお二人についていき
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