第74話 =突きつけられた現実=
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んに殺されちゃうって!!」
よくレコンがサウスを止められてるな…と思ったがどうやら加減しているらしくサウスはあの状況を楽しんでいるらしい。さすがに兄妹だけで何かをしているところにいくのは気が引けるけど…。
「キリトがしようとしてることも気になるんだよね」
「リ、リクヤさんまでぇっ!?」
「そういうレコンは気にならないのかよ」
「そりゃあ……気にはなりますけど………」
レコンの同意もまぁまぁ無理やりだが得られた、ということでさっそくキリトがリーファと何かするであろうアルンのテラスへと飛ぶ。同じ町といえど中心部から街の端までは結構距離があった。が、どうやら間に合ったらしくレコンに続いて物陰へと隠れ上空を見上げるとそこにはすごい光景が広がっていた。
「あの黒いのは……キリト君…だよね…」
「…じゃあ、向こう側はリーファちゃん…!?」
それぞれが見上げた方向には緑光の尾を伸ばす何かと黒い閃光が幾度となくすれ違っていた。俺はなんとか目で追うことが出来たがそれでもやはり速かった。リーファはもうさすがといわんばかりの飛翔能力だったがそれと互角以上の飛翔能力をキリトは十分に発揮している。
「……っ」
「…リクヤ……君?」
「………ん?」
「…どうしたの…そんな怖い顔して…」
サウスの声のあと、一瞬で顔の筋肉が緩んだ感じがする。そんなに険しい顔をしてたのか俺…。
「……多分、悔しいんだ…」
「えっ?」
「また、キリトとの差が大きくなってる気がして……」
向こうの世界ではまだあいつと対等…もしくはその少し下でいられたような、そんな気持ちは自分でも持っていた。少しはヒースクリフさんが俺に行った「剣」になれてたかもしれないのにあの剣舞を見せられてしまうとどうしても俺とキリトの間に圧倒的差を感じてしまう。
「それが別に気に食わないってわけじゃなけど……なんか、嫌なんだ」
「……VRMMOの青春ってこういうものなのかな」
「何か言った?」
「ううん、別に何で……きゃっ!?」
サウスが言っている途中、突然空からキリトの黒い大剣が降ってきた。ギリギリサウスの前に突き刺さったのでHPに別状は無かったが何を考えているんだ、と疑問を感じながら上を見上げるとそこには2人がお互いの体を支え回っているという不思議な光景が。そしてなぜかリーファの手にもあの長刀は存在しない。
「……あぁ、なるほどね」
結構な時間キリトといたおかげと2ヶ月あの家に住んでいたから判ったような気がした。あいつ等、やっぱ兄妹だ。キリトは謝罪の言葉の代わりにリーファの剣を、リーファも同じく謝罪の代わりにキリトの剣を受けようとしていた。だがその二人の思惑はどっちも同じことを考えていたと
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