第三十二話 汚い大人ってどう思うよ?
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メイムも首を傾げる。
「女の……勘」
自慢するように胸を反らす。
そういえば、ヒナは闘悟の勝ちを信じていた。
しかし、その根拠はただの勘だった。
今となれば、ヒナの勘が的中したことになる。
「で、でもよ……トーゴの野郎……あの魔力マジかよ……」
闘悟の魔力量は、普通の魔法士から見ると異常だ。
それはここにいる誰もが辿り着いてしまう心境だった。
「とんでもなく強かったんだねトーゴくんてば……」
「やっぱり……異世界人……ということ……だよ」
それぞれ思うところがあるのかもしれない。
それだけ、目の前の現実は異様なことだった。
名も通っていない転入生が、無傷で三賢人の子息を破った。
ハッキリ言って、規格外のことだった。
今この学園に、リューイを無傷で叩きのめせる人物はいないと思っている。
だが闘悟はそれを苦も無く行った。
三人は少し沈黙を作ったが、それを壊したのはヒナだった。
「でも……トーゴは……ヒナ達の……友達……だよ」
二人はヒナの顔を見る。
ヒナはその済んだ真っ直ぐな瞳で二人の目を見返した。
「……そうだな、いろいろ聞きたいこともあるが、とりあえずは目出(めで)てえことだしな!」
「うん、こうなったらトコトン聞くわよ! それこそ根掘(ねほ)り葉掘(はほ)りね!」
二人が怪しく笑っている隣で、ヒナだけは闘悟を見つめていた。
「……トーゴ……かっこいい……よ」
その声を拾えた者はいなかった。
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