第二幕その一
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
シェルピスとの話を止めて彼女に顔を向けるのだった。今マリーは黄色く美しい絹のドレスに身を包み髪を後ろに長く伸ばしていた。
「マリー、来たわね」
「はい、伯母様」
恭しく一礼する。しかし咄嗟に敬礼しそうになってそれを止めての一礼であった。
「御機嫌うるわしゅう」
「堅苦しいことはいいわ」
姪に対して穏やかに微笑んでの言葉だった。
「今はね」
「そうですか」
「堅苦しいことをしなくてはいけない時もあるけれど」
こんなことも言うのであった。
「今はそうではないのだから」
「有り難うございます」
「それよりもよ」
優しい笑顔でさらに姪に告げる。
「歌のレッスンをはじめるわよ」
「歌ですか」
「モーツァルトよ」
侯爵夫人のお気に入りの作曲家であった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ