Episode12:風紀委員会、始動
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に、渡辺委員長と俺、達也を除く先輩たちは続々と本部を出て行った。途中、二人の先輩が達也に声をかけてたけど、仲良くなるの早いなあ。
「まずこれを渡しておこう」
そう言って渡されたのは、腕章と薄型のビデオレコードだった。
「レコーダーは胸ポケットに入れておけ。ちょうどレンズ部分が外に出る大きさになっている。スイッチは右側面のボタンだ」
言われた通り、ブレザーの胸ポケットに入れてみると、ちょうどうまい具合に撮影できるようになっていた。
「今後、巡回のときは常にそのレコーダーを携帯すること。違反行為を見つけたらすぐにスイッチを入れろ。ただし、撮影を意識することはない。風紀委員の証言は原則としてそのまま証拠に採用される。念の為、くらいに考えてくれればいい」
俺たちの返事を待って、渡辺委員長は携帯端末を出させた。
「委員会用の通信コードを送信するぞ……よし、確認してくれ」
ん、ちゃんと来てたね。
「報告の際は必ずこのコードを使用すること。こちらから指示のある際も、このコードを使うから必ず確認しろ。最後はCADについてだ。風紀委員はCADの学内携行を許可されている。使用についても、いちいち誰かの指示を仰ぐ必要はない。だが、不正使用が判明した場合は委員会除名の上、一般生徒より厳重な罰が課せられる。一昨年はそれで退学になったヤツもいるからな。甘く考えないことだ」
んー、こりゃ一応気をつけたほうがいいかな。さて、説明は終わりみたいだし、行こうか。
「じゃ、俺は行きますね」
「ああ、くれぐれもサボるんじゃないぞ」
なにか質問がありそうな達也は置いて、さっそく行こうとした途端に渡辺委員長に釘を刺されてしまった。
「もちろんですよ。俺が、サボるとでも思ってらっしゃるんですか?」
「そういうことは、相手の目を見て言うことだな」
「あ、ははは。まあ、頑張れるだけ頑張ってキマス」
「ああ、期待しているぞ」
「サボるなよ」
「達也まで……」
苦笑いを漏らして、俺は委員会本部から退室した。
さあ、始まりだ。
ーーto be continuedーー
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