第一物語・後半-日来独立編-
第三十章 辰の地、戦火は走る《1》
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
達をモチーフとしたエロゲじゃねえかあ!」
青色のボックスを見て、セーランの目の色が変わる。
十七歳以下はダメ、絶対。と書かれており、十八禁指定のものだ。
「百合ものとして珍しく登場キャラの行動をボタン形式で操作でき、あまりの内容から辰ノ大花に潰された会社の最後の遺産。発売前から人気が高くて、通常版しか手に入らなかったんだよなあ」
『お前が宇天長のことを好きなことは気付いていた。さあ、どうする。私達を許せばこれはお前のもの、そうでなければ欲しがる者は大勢いるからな。そいつらに高値で買わせればいいだけの話だ』
「よし、その行為許す!」
『『ざけんな!!』』
「うるせーぞ、てめえら。俺の利益の前にお前らなどちっぽけな存在でしかないのだ!」
『『そ――れ――!』』
「どわ――!?」
皆の掛け声の後、突如セーランが後ろから勢いよく押されたように吹き飛んだ。
「セーラン殿――!?」
前方にかなりの距離吹き飛ばされ、それから何回か屋根の上を派手に転げ回った後に地面へと落ちた。
家と家との細道に頭から激突したがまだ発動中だった緩和系加護により無傷で済んだが、派手に回転したために視界がすぐには定まらなかった。
平衡感覚がきちんとしてなかったために、立ち上がるとバランスを崩し、尻餅を着いた。
敵からの攻撃ではない。衝撃はあったものの、威力がなかったからだ。
それに後方には援護の組がいる。敵がいるなら気付かれる筈だ。
屋根の上からひょっこり顔を出す美鷺が、
「大丈夫で御座るか」
言われ、尻餅を着いたまま片手を挙げて言葉を返す。
「おう、平気だ。これはあいつらの仕業か、追及が怖くて映画面消してるし」
「ならば良かった。このまま単独行動へ移るのがよかろう、早くに行った戦闘組が戦いを繰り広げて御座るから敵の注意はセーラン殿に届かない筈」
「そうさせてもらうわ。じゃあな、お前も頑張れよ」
「そちらもで御座る」
屋根にいた美鷺は一礼をしてから前へ進んだ。下からセーランは、呑気に彼女が行くのを見ていた。
それに続くように地面や屋根から、学勢達が後に続きセーランを追い抜いて行く。
最後の音が前へ行き、音の群れは前方へ行き小さくなる。
よし、と声に出して立ち上がる。
制服に付いたほこりを落とし、ゆっくりと歩き出す。
細道から整備された土道に出て、辺りを見回し敵がいないことを用心深く確認する。
「敵の存在無し、よし行くか――」
歩み出そうとした瞬間。セーランの右頬それそれを、高速で通り抜ける何かがあった。
反射で即座に細細道へ戻り、敵の視界から自身を消す。
冷や汗をかきながら音を頼りに敵の存在を確認するが、その存在を捕らえることは出来なかった。
遠くで響く戦闘の音があるからではない、存在自体
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ