家出姫
才姫戦争
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なに、これ。なんでカズヤが私の知らない女の子と一緒にいるの?
「ああ、カズヤ様…、カズヤ様…。」
「あ、おい!止めろ!」
「いいえ、止めませんわ。」
「でぇぇぃ!止めんか!」
なんだか、すごく、楽しそう。
「カーズーヤー?」
「な、何でしょうか、セリナ様……。」
「うふふ。」
体中に力がみなぎり思考がクリアになる。肌の露出部分から雷電が迸る。
カズヤは、私だけの、もの。誰にも、渡さ、ない。
「Donner・Magier!Entlastung(放電)!」
迸っていた雷電が一気に解放され誰彼かまわず電光が走る。
倒れていた盗賊や立てかけてあった武器にも走り、あたりには少々焦げ臭いにおいが立ち込めた。
「ちょっと!何をなさるのですか!」
「なにってちょっと放電してみたくなっただけよ?」
「ちょっとって、カズヤ様が気絶なされたではありませんか!」
「それがどうしたの?」
誰よりも愛しいはずの男が倒れているのにニコニコした顔で佇み、男の腹の上で喚く牝を見下ろす。
なんでこいつ、生きてんの?まともに放電受けた、はずだよね。なんでこいつは、生きてるのに、カズヤは黙ってるの?
「それよりあたくしのカズヤ様になんてことを。」
「あたくしの?違うわね、私のよ。」
「いいえ、あたくしのです。お父様には内緒ですけど、あたくしたちはすでに結ばれた存在。分かつことはできません。」
「へぇ、そんなことまでしたんだ。ふーん。じゃあ、生きて返すわけにはいかないわね。私のカズヤを傷物にした代償、その身で償ってもらいましょうか。」
さすがにこの体勢では応戦はできないと判断してか牝はカズヤから離れ、彼を挟んで私を見てくる。そして牝は自身の前髪から緑のフレームに赤い宝石の入った髪留めを手に取った。するとその髪留めが大型化し一本の杖になった。
「へぇ、面白いの持ってるじゃない。」
私も先の放電より強く雷電を迸らせついには電気自体が紫がかってきた。資料で見た「紫電」とかいうものだろう。これは通常の雷魔法より格段に強いらしい。
紫電を体中に張り巡らせ強化魔法をかける。そのついでに両手に紫電を集め攻撃の準備をする。
「紫電…。相当のやり手ですね。ですが、その方が血がたぎるというもの。カズヤ様は渡しません。」
「その言葉、そっくりそのまま返すわ。」
そしてここに一人の男をかけた「戦争」が始まる。そう「戦争」だ。
ここからは天国視点でお送りします。
先手はセリナで右手の纏った紫電を右ブローで繰り出し一撃で決まるよう急所を狙って打つ。
「くっ!」
しかしエリザは手に持つ杖を両手でしっかり持ち繰り出された拳を杖で受け止めるが、壁際まで大きく押し込まれる
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