暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第二十四話】
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
――夕方、自宅への帰路――


 あれから数日が立ち、夕方の土曜日。

 本来ならISの訓練をして過ごしている時間なのだが、一度自宅に帰って必要な物を取りに来たのだ。

 遊歩道にはまだ、散っていない桜だが、風が吹く度にちらほらと花びらが舞い落ちてくる。

 そういや、未来に連絡入れておくかな。

 明日の朝、起こしに来てくれって。

 携帯を取り出し、未来の携帯へと電話をかける。

 プルルルルッ……プルルルルッ……。

 確かこの時間は家にいるはずなんだが……。

 と、頭の中を言葉が過っていると、携帯が繋がった。

 いつもはすぐに出るのだが…。

『も、もしも――』

「未来か? 悪いけど、明日の朝、家に起こしに来てくれないか?」

『えっ!? ……久々に電話が来たって思ったのに、そんな内容っ!?』

「悪い悪い、でも起きられる自信ないから。 ……鍵はいつもの所にあるから勝手に入って――」

『ま、まだ起こしに行くなんて一言も言ってないよっ!?』

「あー……、言ってないけど……。 未来に明日の朝、用事があるならいいよ。 悪かったな……じゃあな」

『ちょ、ちょっと――』


 プツンッ……と電話を切り、携帯をポケットへとしまう。

 ――まぁ急だったし、強引に言い過ぎたから仕方ないか。

 しかし…声を聞く限りでは元気そうで良かったよ。

 途中、スーパーで夕食用の食材と、明日の朝用の食材を購入して久々の自宅へと帰っていった――。


――夜、ヒルトの部屋――


 夕食も食べ終え、久しぶりの自室のベッドにごろん……と転がる。

 誰もいない家も静かだな…。

 俺の家は、親が二人とも海外にいるから基本は妹と二人だけで、親はたまに帰って来るぐらいなのだ。

 母さんが開発者で、親父が……ボディーガード。

 昔、親父は何処かの部隊に居たそうだが、その話はしたがらないので俺も美冬も聞いたことはない。

 肩や背中とかに銃創や切り傷があったのを覚えている。

 ……と、考えても答えが見つかるわけではないし……とりあえず明日持って戻る荷物の準備だな。

 ――そう思い、立ち上がっておもむろに本棚へと向かう。

 ――まぁ先ずはエロ本を……流石に妄想だけじゃ難しくなってきたしな。

 何て、絞まりのない顔をしながら本棚を漁り始めるのだが――。


「……あれ?」


 ……エロ本が無い。

 おかしい…確かにここに――。


「……?――てか紙が…何々…」


【お兄ちゃんへ、部屋にあるえっちな本は処分しました。 ごめんね〜】


「…………」


 思わず、がくりと項垂れた俺。

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ