第七話 戦う理由
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「でぇあああああ!!!!!」
「ぬぅうんんん!!!!!!」
修行が始まって一週間がたった。 俺は、師匠である神野真亜守准将と真剣を使った打ち込みをやっている。 思った以上に守りが堅くいくら打ち込もうと師匠は一歩も動じず簡単に俺の攻撃を軽くあしらっていた。
「今日の所は此処までだ。 続きはまた明日だ」
「・・・解りました、師匠。ありがとうございました」
互いに礼をすると師匠は滝がある方へと向かった。 俺は夕食の準備をするため寝泊りしている山小屋へ向かった。
修行が始まって一週間、未だに師匠の鉄壁ともいえる守りに阻まれていた。 修行の最中、師匠に言われたことがあった。 俺の剣には欠けているものがあると言われた。 それは何なのかと尋ねたが、自分自身で見つけよと返ってきた。
「欠けているものか・・・・そういや、父さんどうしてるかな・・・・」
俺は此処最近、元いた世界の事を考えるようになった。 突然、異世界に来て、ガンダムに乗りBETAと戦い、今では軍人となってから色々あった。 帰りたいという願望が俺の頭から未だに離れないが、帰る手段がない以上この世界で生きるしかないため自分に出来る事をやってきた。
恐らく師匠は俺のほんの僅かな迷いに気づいてあんな事を言ったのだろうか?
「取り合えず、考えるのは後だ。やれる事をやっていくか」
そういうと俺は夕食の準備に取り掛かった。
夕食を済ませ、風呂から上がった俺は寝るまでの間、外で夜空に輝く星を眺めていた。
「篠崎よ、眠れぬのか?」
振り向くと其処には師匠が立っていた。 俺の横に座ると師匠が話しかけてきた。
「篠崎よ、お主はなんのために戦っておる?」
「それは、生きるためです」
「だが、人はそれだけでは戦えぬ。これは私の経験なのだが・・・・・」
そう言うと師匠は自分の経験話を始めた。
昔、師匠も俺と同じく力を求めて戦っていたらしい。 ある時、強敵と戦い敗れたときに自分を支えてくれた人がいた。 その人と親交を深めていくうちに互いに愛する関係となり、ただ力を得るためでなく、守る為に戦うと決意したらしい。
「お主に欠けているものがあると言ったが、あれは誰かを守るという強い意志だ」
「誰かを・・・・守る・・・・強い意志・・・・」
「そうだ。それさえあれば人は強くなれるのだ」
そう言い放つと、師匠は山小屋に向かって行った。
「守る強い意志か・・・・」
確かに師匠の言う通りだ。 守り抜く意志もないのに大事なものは守れない。 一番大事なものは自分自身で見つけるしかないが、俺はガンダムという力がある。 ならば、あの力を守るために使うと初めに巌谷少佐に言った通りやってみるだけだ。
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