転生後の世界
変えてしまった世界で。
[8]前話 前書き
人間は皆前世というものがある。
魂に刻まれた、自分の知らない過去の記憶。
心に刻まれた前世。そんなものを知る由もない。
そんな在り来たりなことを少し考えつつ、友人と飯を食っていた。
ひょんなことからゾンビになった友人だ。
「で、前世がなんなんだ?」
茶碗を片手に箸をペン回しのように遊ぶ友人・相川歩。
そしてそれを自分の箸をダーツのように投げてペン回しを中断させる俺・夜来風樹。
どちらもお行儀が…まぁ少しアレな訳で。
俺は歩の家に居候してはバイトで生活費を稼ぐ毎日。
歩はゾンビのため、昼間外に出たがらない。つまりバイトなんざ出来る訳もない。
そして最近は厄介な奴らも居候している。
「おいアユム!お行儀悪いぞ!」
箸を突きつけるアホ毛が特徴の少女・ハルナ。
「ハルナ、貴女も十分お行儀が悪いですよ」
綺麗に魚の骨を除けて食べる美しい女性、セラフィム。
「『ご飯は行儀良く、静かに食べるべき』」
何故かメモ帳で会話する少女・ユークリウッド。
「みなさんの言うとおりです」
桜色の髪が特徴的なシスター・ラフィエル。
俺の直勘では「平和」と言っている。
きっと直勘というものは前世の記憶と照らし合わせているのでは?
などと考える毎日だった。
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