第三十三話〜R2・愛と哀〜
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『三年B組ルルーシュ・ランペルージと転校生のライの帽子を私の元に持ってきた部活は部費を十倍にします!!』
「「なに!」」
全校放送でその宣言がされた瞬間、ライとルルーシュは驚愕した。奇しくも違う場所にいた2人の驚きの声はタイミングもセリフもシンクロしていた。
そこから始まるドタバタ劇。六課の面々も学校をあまり知らないでいたが流石にこれはおかしいと気付いていた。
どんどん混沌としてくる中、アーニャはモルドレッドまで持ち出してくる。
『ライ…帽子……頂戴』
「え?!」
アーニャの言葉に赤面しながらライは逃げ続ける。しかし流石のライもナイトメアには勝てずにアーニャに帽子を獲られる。
「アーニャ、どうして僕を?」
ライは素直に疑問を口にする。その返答にアーニャは赤面しながら答える。
「ライと約束した。思い出を……作るって」
ライはそれを聞いて納得すると同時に申し訳なく感じていた。どこまで素直に気持ちをぶつけられてもライはそれに答えられない。何故ならどれだけペルソナを被ろうとライは人殺しの、虐殺の罪を背負っている。どれだけごまかそうとライには自分の手が血に染まっているどころか、血に浸かっているのを知っている。だから、彼女の幸せを願うのなら自分はふさわしくはないと、思い出は作れるが彼女の未来に自分はいないとライはそう考えていた。
その日からアーニャはライと学園で一緒にいることが多くなる。それは彼女なりに思い出を作ろうとする彼女なりの頑張りであった。
ルルーシュの方も紆余曲折を経て、結局はシャーリーと恋人同士になっていた。ルルーシュはシャーリーに想いをぶつけられ困惑すると同時に嬉しさも感じていた。そして自分の記憶を失っても、再び自分を愛してくれた彼女を大切に想うと同時に彼女をこれ以上巻き込みたくないとルルーシュは思っていた。
しかしそんなささやかな彼の願いすら届くことはなかった。
ブリタニア帝国側が所有する極秘の組織、ギアス嚮団はギアスを無効化する『ギアスキャンセラー』を使えるようになったジェレミアを使い、ルルーシュを追い詰めようとしていた。
そのギアスキャンセラーを使われたシャーリーは失われていた全ての記憶を取り戻す。記憶を取り戻した彼女は精神的にかなり追い詰められる。
知っている記憶
噛み合わない現実
それを疑問に思わない周囲の人間
それらを意識する彼女は恐怖心から、目に見えない何かから逃げるように駆け出す。その場に居合わせたスザクやルルーシュはシャーリーを落ち着かせようとするが、その時の彼女には逆効果でしかなかった。
ほとんど恐慌状態になっていた彼女は高層建築の建物の淵で足を滑らせ落下しそうになる。そんな彼女をル
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