第三十三話〜R2・愛と哀〜
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の姿が嬉しかった。ラウンズに入ってからのスザクの行動を黒の騎士団の立場から見てきた。ルルーシュからの話を聞いていたりしたライにとって、記憶を失くす前、あの頃のスザクと変わらない彼のその姿が本当に嬉しかったのだ。
「これからよろしく」
落ち着いたスザクに右手を差し出しそう言うライ。スザクはその手を握り返す。その時にスザクの顔はナイトオブセブンの表情ではなく、年相応の少年の顔であった。
ライがスザクとの再会をしている頃、ルルーシュは頭を抱えていた。それはある意味、学園にジノとアーニャが入学していたことよりも重要なことである。………あくまでルルーシュ個人にとっては、だが。
「俺がシャーリーと?!」
「はい、キスさせていただきました」
呆然とするルルーシュにそう答えるのは、ルルーシュとナナリーに仕えていた篠崎咲世子である。彼女はルルーシュがゼロとして活動しているとき、ルルーシュの変装をして彼の代わりを演じていた。
彼女はSPとしての能力は一流でルルーシュの変装も簡単にこなしていた。だが彼女は少々奇抜な思考を持っているため、ルルーシュたちが隠している秘密を隠すためにシャーリーとキスをしたりしていたのである。他にも、ルルーシュからの指示で「人間関係を円滑に」という指示をある意味曲解し、女生徒からのデートの約束をほぼ断ることなく受け入れていたのである。これではただの女誑しである。
呆然とする中、ライがスザクとの再会を終えルルーシュたちのいる部屋に入ってくる。
「ごめん、遅れ……どうしたの?」
部屋の中の空気がおかしいことを察したライはそう尋ねる。その場にいたロロが少し不機嫌な態度を示しながら説明をする。
全ての説明を聞いたライは自分では力になれないなと考えながら、ため息をつき、ルルーシュに同情の視線を送るのであった。
ルルーシュが休日にゼロとしての仕事と予定していたデートの消化に勤しんでいる頃、ライはジノとアーニャの2人と街に出ていた。なんでも、「庶民としての暮らしを知りたいけど自分たちには勝手がわからない。だから案内してくれる人が欲しい」ということであった。最初はスザクがいるのではと思ったライであったがスザクは仕事で行くことができないため、白羽の矢がライに当たったのである。
街の見慣れないものに目を輝かすジノに説明したりしながら散策する3人。基本うかれているジノをライとアーニャが見守るということを繰り返していた。そんな中、動き回るジノや街の風景を撮っているアーニャを少し不思議に思い、ライは彼女に尋ねた。
「どうしていつも写真を?」
「………記録は嘘をつかないから」
小さい声ではあるがアーニャははっきりとそう答えた。その言葉にどこか不安な想いが込められている
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