第三十話 おお……痺れたぞ
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「さあ、次はこんなものではないぞ?」
リューイは楽しそうにこちらを睨んでくる。
さて、どうするかな?
身体に電気を流されたとはいえ、外傷などは無い。
チラッとクィルの方を見ると、不安そうに眉を寄せている。
ミラニは怒ったような表情を向けてくる。
さしずめ、いつまでそんな奴にてこずってるんだって感じかな?
闘悟は苦笑しながら立ち上がる。
「ん? 立つか。まあいい、そんなに早く終わったら、応援に来てくれた彼女達にも失礼だからな」
すると、また黄色い歓声が轟(とどろ)く。
「何やってんだよトーゴ! そんな野郎に負けんじゃねえ!」
黄色い歓声に消されているが、そんなことを叫んでいるのはカイバだった。
「あっれ〜? カイバってトーゴくんに早く降参しろとか言ってなかったっけ?」
メイムがカイバに嫌味のように言う。
「う、うっせえ! あんなふうに女の子達に応援される奴は負けてちょうどいいんだよ! ていうか、勝ったら鼻の穴に『ゴクドングリの実』を詰めてやる!」
『ゴクドングリの実』とは、成人の頭ほどもある大きな木の実である。
また、その匂いも強烈であり、とてもではないがまともな神経で吸い続けてはいられない。
そして、もちろん鼻の中に入れられるわけもない。
「ん〜でも、正直なところ、トーゴくんやばそうだよね……」
「大丈夫……だよ」
「え?」
メイムの言葉を否定したのはヒナだった。
「トーゴ……きっと……勝つ……よ」
「……根拠は?」
「女の……勘?」
可愛く首を傾げる。
「えと……勘なの?」
「ん……」
コクコクと頷く。
「うおぉぉぉぉぉっ! トーゴ行けいっ! そんな野郎は踏み殺せぇ! 殺してしまうのだぁっ!」
それじゃ失格だよと声に出して言おうかと思ったメイムだが、軽く息を吐き闘悟に視線を送る。
「頑張ってトーゴくん」
メイム達の声援は直接届いてはいないが、闘悟は力強く立っていた。
リューイは再び詰め寄って来た。
恐らく雷の力を剣に流して攻撃してる。
だから少し離れたところで、その雷を放電させて相手に飛ばすことができる。
外傷を与えるほどの威力は無いが、相手の自由を奪うことが可能。
さすが、雷の属性を持つ攻撃だ。
そして、不自由になった相手に剣で貫く。
怖い攻撃だ。
ということは、中途半端に避けても無意味だ。
避けるならもっと距離を取る。
闘悟は足に力を込めてその場から離れる。
だが、リューイはまたもニヤッとする。
「僕の力は放電だけではない!」
すると
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