第二十八話 俺の体力は反則だな
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
午後からは『魔法学』だ。
今日は属性魔法についての勉強らしい。
ざらっとは宮殿で教えてもらったが、ここではもっと詳しく教えてもらえる。
もちろん実技もある。
一番大切なのは、自分の扱える属性魔法を認識することだ。
この授業で面白いことも分かった。
それは属性魔法を調べる方法だ。
この学園には『感応樹(かんのうじゅ)』と呼ばれる木が植えられている。
その木に触れ、魔力を流すことで、自身の最も得意な属性魔法が分かる。
たとえば、火の属性が得意な魔法士が魔力を流せば、赤い葉が茂る。
もともと枯れ木で葉などつけていない木なので、茂る葉の量で、魔力量の多寡(たか)もある程度計れる。
この学園に入学して、初めての授業には必ずこの『感応樹』に魔力を流して魔法選別を行う。
闘悟の場合は、途中から編入してきたので、調べるのはまた今度だということだ。
最後の授業は『武学(ぶがく)』だ。
これは実戦を学ぶための授業だ。
二人一組になって組手や試合を行う。
剣士なら剣士と、魔法士なら魔法士と、互いに切磋琢磨(せっさたくま)していく。
学年が上がれば、複数相手や、剣士と魔法士を含めた混合試合なども行う。
このルームではどうやら剣士は少ないらしい。
ミラニのような魔法騎士で、両方とも得意な者も中にはいる。
無論その実力には大きな差はあるが。
カイバは剣士らしい。
もちろん魔力を持っているので、魔法も使えるが、剣で戦うことが得意らしい。
メイムとヒナは純粋な魔法士だ。
接近戦は苦手な部類だ。
同じようにクィルもそうだ。
さて、闘悟はどこに属すのかというと、基本的には魔法士になる。
だが、本人曰く接近戦の方が得意なので、魔法士というよりは、魔法拳士(けんし)といった方がしっくりくる。
今日の『武学』は体力作りのため走り込みだった。
クィルは苦手みたいで、少し走っただけで顔を青くしていた。
最後まで走っていたのは闘悟、ミラニ、カイバだけだった。
「はあはあはあ……てか……お前……何で……何で……」
「あ?」
「何でそんな涼しい顔してんだよ!」
カイバが激しく息を乱しながら声を出す。
「まあ、これくらいなら準備運動にもなんないな」
闘悟は平然と立っている。
汗も全くかいてはいない。
魔力って体力と比例するのかもしれない。
体力がありそうなカイバが、滝のように汗を流すほどの距離を走ったはずなのに、汗をかくどころか体に熱も籠(こも)ってはいない。
この十倍ぐらい走って、ようやく温まったかなと疑問を浮かべるくらいかもしれない。
ん〜反則的だなオレの体力。
もちろん、日本にいた頃
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ