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カンピオーネ!5人”の”神殺し
神と人間と
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に合ったみたいだ!」

 二柱のまつろわぬ神が創り出した世界に紛れ込んだ、呑気な声。その口調とは裏腹に、今にも切り裂かれそうな程の鋭さを備えたその声は、二柱の興味を引くには十分な力を持っていた。

『・・・神殺し・・・!』

「私たちの戦いに割って入るなんて、無粋な人間ね。流石はエピメテウスの落し子(愚か者)。私を怒らせるなんて、命が幾つあっても足りないわよ?」

 自らを殺すに足る力量を持つ者がやって来たのだと、二柱とも察した。油断なく声のした方向を見ると、そこには海水でずぶ濡れになった、アロハシャツを着た金髪の男がいた。サングラスを投げ捨て、背中に背負ったゴルフバックから、一本の長剣を取り出した。

「ここに誓おう。僕は、僕に斬れぬ物の存在を許さない。この剣は地上の全てを斬り裂き、断ち切る無敵の刃だと!」

 呪力が迸り、剣と右腕が白銀の光を放つ。

「飛行機が墜落したときはどうしようかと思ったけど、泳いでこれそうな距離だったから助かったよ!しかも、たどり着いた場所に神様が二柱もいるなんて、これはもう運命としか言えないじゃないか!?」

 狂喜乱舞する男。【剣の王】サルバトーレ・ドニ。

「成程・・・。元から狂ってるんだ。なら、私の権能が効果が薄いのも当然ね。『剣狂い』とでも言おうかしら?」

『・・・我がコヤツの相手をしよう。貴様との勝負は、その後だ。』

「え!?何で!?」

 その叫びに、炎の女神はジロリと睨み。

『貴様が、力の一つを取り戻していないことに気がつかないとでも思ったか?元から勝機が薄いのに、その少ない勝機すらも更に小さくする貴様の考えが、我には分からん。我が露払いをしている間に、あの男から力を取り戻して来い。既に怪我は治っているのだろう?』

「・・・っ!」

 少女は、歯噛みした。そう、彼女は力を失っている。名を取り戻した際に、力は殆ど取り戻したが、一部を失ったままだ。・・・だが、それには理由がある。

『まぁ、貴様がそれでもいいと言うのなら、これ以上の干渉はせん。それで死んでも文句を言わないのならな。・・・フフッ。まつろわぬ神(我ら)に、そこまで好かれる人の子など、聞いた事もないわ。』

 無差別。対象を選ばず、周囲を無差別に蹂躙する少女の権能から護堂を守る為には、あの権能(・・・・)を渡したままでなければいけないのだ。

 それは、本当に偶然だった。主の危機に反応した神器が、偶々近くにあった権能を奪い取ったというだけの話。持ち主である少女が神格を失っていた時には、微々たる力しか発揮出来なかったものの、彼女が神格を取り戻した今なら、その力で草薙護堂を守る事が出来る。そう、彼女自身の脅威から。

「・・・私だって、まつろわぬ身でなければ、こんな事は。
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