暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
会合談義
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離を飛ぶ時は高いとこから出発するんだよ。もし飛べなくなっても、グライダーみたいに滑空できて飛行距離が稼げるからね」

「ははあ、なるほどね」

頷くキリト達の背を押しながら、リーファはふと思いついて背後に従者のごとく付いて来るクーの姿に眼をやった。

「そう言えばレン君、昨日訊くのを忘れてたけどクーってどうするの?当たり前のことだけど、飛べないでしょ」

「そりゃリーファねーちゃん、そのまんまだよ。飛べなかったら地面を走ってくるんだよ。ちなみにクーの最高速度は、リーファねーちゃんが全力で飛んでも楽々追い抜いちゃうくらい速いよー」

「あー………」

まあ、なんとなくわかっていたが。スピード自慢のリーファからすれば、分かってはいたのだが軽くへこんでしまう。

「基本的にテイムされた使い魔が飛べない奴だと、たとえプレイヤーが飛んでても、その座標から離れることはないんだよ。どこまで行っても、どんな速い速度で飛んでも付いて来るんだ」

「へぇー………!」

すらすらとレンの口から出てきた立板に水な説明に、リーファはただただ驚いた。

シルフとケットシーは領主同士が懇意なのもあり、交易は盛んかつ互いに友好的な関係だ。

実際にシルフ領であるここでも、ケットシーを見かけることは決して少なくはない。

しかし、いくらテイミングが得意なケットシーと言えども、クーのような大型の使い魔を従えているのはかなり稀なプレイヤーだ。

その証拠に先ほどから行き交うシルフプレイヤー達の視線の九割がたは、のっしのっし歩くクーに向けられているような気がする。

そのため、必然的にシルフ領にて見かけるケットシーの多くは小型の、愛玩動物のような飛行可能使い魔を付き従えているのだ。

飛行ができない大型使い魔の行動のことなど、全くと言っていいほど知らなかった。

そんな会話をしつつ、ふと思いついて視線を塔の奥へと移す。

そこには、シルフ領主館の壮麗なシルエットが朝焼けに浮かんでいた。

館の主人であるサクヤという名の女性プレイヤーとは旧知の仲なので、しばらく街を離れると挨拶しておこうかと一瞬考えたのだが、建物の中心に屹立する細いポールにはシルフの紋章旗が上がっていない。

滅多にあることではないが、今日は一日領主が不在だというしるしだ。

「どうかした?」

首を傾げるキリト達に、ううん、とリーファは首を振った。

サクヤには後からメールしておこうと考え、気を取り直して風の塔の正面扉をくぐって内部へと進む。

ちなみにここからクーとはお別れらしい。漆黒の巨体を揺すりながら、シルエットが遠ざかっていく。

アレが一匹だけで領内をほっつき歩くと言うのは、それはそれでかなり問題があるような気がするが、それは
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