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男女美醜の反転した世界にて
反転した世界にて4
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 来たる放課後。例によって、僕は人の出入りがまばらになるまで自分の机でボーっとしているのだけど。

「さよなら赤沢さん。また明日ね」
「さ、さよなら」
「じゃあの」
「じ、じゃあの(?)」
「あ、赤沢さん。明日、楽しみにしてるからね!」
「う、うん。頑張るよ」
「毒を盛るなら超強力な奴にしなよ。中途半端だとコイツ、確殺できないかもしれないからね」
「そ、そんなことはしないよ」

 来よるわ来よるわ。
 クラスメイト達が、なぜか僕に一声かけてから教室を出ていくのだが。
 僕の席は窓際の、後ろから数えて三番目なのだけれど。声をかけてくる人たちのうち何人かは、わざわざ離れた席から僕の席にまでやってきて、挨拶をしてくれるのだ。
 その度にどもりながらも返事をするのだけれど。正直、嬉しいというよりも怖い。

 そりゃまあ、こんな風にクラスメイト達と自然と帰りの挨拶を交わし合えるような、そんな妄想をしたことは幾度となくある。
 嬉しくないと言えば嘘になるのだ。
 けれど、昨日まではこのような状況足りえる気配は、微塵もなかった。喜びよりも、何かを企んでいるのではないかと、上げて上げて落とす算段が付いているのではないかと、疑心暗鬼に陥ってしまう。
 
 ――男子と女子の役割がまるっと入れ替わってしまったような怪奇現象。
 男女の価値観が入れ替わっている――のはわかったけれど、しかしそれだけでは説明できないこともたくさんある。
 はじめて会う(と思われる)一部のクラスメイトたち。もっとも、元々僕もクラスメイトの顔と名前を全員一致させているわけではなかったので、"誰と誰が入れ替わった"のかはわからない。そもそも、入れ替わってなどいないのかもしれない。

 ――ならば、どうしていきなり、クラスメイトたちは僕に優しくなったのか?
 優しくなったというか、やたら親しげというか。白上さんを筆頭に、我がB組に置いての僕の立ち位置が、わからなくなっている。
 朝のHRの時点では、ノリに巻き込まれただけかとも思ったけれど。それでは放課後にまで声をかけてくれる理由にはならない。
 自分で言うのは物凄く嫌な話だけれど、――男女の価値観が入れ替わっているのなら、これはつまり、"女子に対する接し方"なのかも……と少し考えて、すぐに否定する。 
 男子だろうが女子だろうが、ぼっちはぼっちだ。クラスメイトが優しくなる理由としては薄い。
 ここで猜疑心に囚われてしまうのだ。『どうせ何か企んでるんだろ』なんつって。
 とは言っても言うものの。
 だからと言って、そんな風に斜に構えたひねくれ思想で、せっかく歩み寄ってきてくれる級友たちを突き放したりするのも、何か違う気がする。何か違うっていうか、何様のつもりだっていう話。
 少なくとも、現時点で悪
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