反転した世界にて4
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子なら誰もが心の中で、『このまま時が止まればいいのに』と願ってしまう。そんなレベルの、モテモテ美男子一生勝ち組予備軍――そんな感じ」
……。
……慰めのつもりだろうか?
真面目そうな顔でそんな取ってつけたようなお世辞を述べられても、面白くもなんともない。
「盛大な慰め痛み入るよ。で、それなんてエロゲ?」
「茶化すなよ、マジなんだから。男の俺から見たって、嫉妬とか羨ましいってのを通り越して、憧れるレベルだ」
「や、やめろよ……」
頬を赤くして顔逸らすなよ。
マジ天使だとは言ったけど。生理的にも生物学的にも、お友達以上はごめん被るよ。
「薔薇の趣味は俺にはねーよ。……一部の男子は、ガチで狙ってるらしいけどな」
「なんでホモが湧いてるんですかねぇ(戦慄)」
「……」
「……え」
……。
……え?
真面目? マジで? ガチで?
これは、どう捉えるべきなんだろうか。
「……」
冗談を、言っている感じではないな。確かに。
いや、でも、幾らなんでもそれはない。
理解とか納得とか、それ以前の問題だ。そんなの。
言うなれば……そう、そんなのは、あまりにも都合が良すぎる。
「――お待たせしました。コーヒーとカフェオレになります。ごゆっくりどうぞ〜」
「あ、ども」
「……」
やがてウェイトレスが注文の品を運んでくる。
しかし荒井くんは、明後日の方向を眺めて、黙り込んだまま。
僕がどんな理解を示すのか、どのようなリアクションを返すのか、待っているのだろう。
そんな風にされたところで、俄かに信じられるような話じゃない。
「……僕から見たら、一位の人は僕以上にブサイクなんだろうね」
沈黙が辛いので、僕はなんとなく誰ともなく、適当な思いつきを独り言ちる。
僕が自称顔面偏差値20くらいなら、一位ともなれば顔面偏差値15くらいだろうか。
仲良くなれるかもしれない。
「……それ、もし園原……、ないし『園原派』に聴かれたら間違いなく戦争になるからな、自重しとけよ」
「園原さんって言うんだ、一位の人。……派閥なんてあるんだね? 僕の派閥もあったりして」
「おまえ、まだ信じてねーの? 実際、白上の態度見ただろ? ブサ面二人が駄弁ってるところに割り込もうとする女なんて、一体どこの世界に居るんだよ」
心底めんどくさそうに、しかしキッチリと言葉を返してくれる荒井くん。
確かに。言われてみれば、白上さんのあの行動。
もしも仮に万が一、限界までポジティブで楽観的な思考回路で以て。
白上さんの行動が、僕や荒井くんに対する"好意"から来るものだとしたら。考えられるのは……。
「白上さんって、B専……?」
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