反転した世界にて3
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「……時間だ。はぁ、本当にこのクラスはまとまりのない……。出し物の決定は明日のホームルームに持ち越すから、今日中に皆で話し合って決めておきなさいね」
「「はーい」」
教師が退出した後。すぐにざわつき出すクラスメイト達。
僕は次の授業の準備に取り掛かりつつ、先ほどの大騒ぎを反復して愉悦にっている気持ち悪い男子が一人。そう、僕だ。
興奮冷めやらぬとはこのことか。
生まれてから今まで。あんな風に、クラスの馬鹿騒ぎに巻き込まれて、一緒に大騒ぎをするなんて経験、初めてのことだった。
――冷静に考えれば。皆、それぞれ盛り上がりすぎて、ある意味前後不覚な状態になっていたんだろう。
だけどそれでも、いつも外側から眺めていたその輪の中に、僕も一緒になって参加をしていたのは事実だ。
嬉しいやらなにやら。ふわふわとして実感がないというのが本音ではあるけれど。
無論、だからと言って調子に乗って隣人に話しかけて、『えっ、あぁ、うん……』っていう反応をされたりしたら、とてもじゃないけど耐えきれない。
なので、躍る心は一旦抑え込んでおいて、僕自身は何事もなかったように日常に戻ることにする。
今日の出来事はきっと遠い将来になってから、僕の心の思い出ノートの輝かしい一ページとして記録しておくことにする、として。
とにもかくにも、――次は体育の時間だ。
体育は隣のAクラスと合同で行われる。
可及的速やかに着替えを済ませた後は、体育倉庫の裏辺りで時間を潰す――これがプロのぼっちだ。
――着替える、と。心の中で思ったのなら。その時すでに着替えは終わっている!
っていう心構えで、僕はすでにこの時点でYシャツのボタンをすべて外し終えていた。
そのままYシャツを脱ぎ捨て、Tシャツも……というタイミングで、横合いから肩をたたかれる。
「あー、ちょっと赤沢さん?」
「は、はい」
すごく気まずそうな表情で苦笑いしながら、周りをちらちらと窺いつつ話しかけてきた。
「こ、ここで着替えるのはやめといた方がいいっていうか、正気の沙汰じゃないっていうか」
言われて、周囲をよく見ると。男子は全員、巾着袋を持って廊下へと出ていくところだった。
でも問題はそっちじゃない。
問題なのは、すでに着替えはじめて下着姿にすらなっている者すらいる――女子の方だ。
皆が皆、着替えの途中で手を止めて、男子でただ一人着替えをおっぱじめている僕の方をガン見している。その中にはさっきの――僕に話しかけてきた謎の美少女のYシャツ+パンツ姿もあった。
「どぅわぁっ……!? ごご、ごめんなさい!」
「うわ! 出るのはいいけどそんな格好で廊下に出んなよ!!」
「こら女子共! こっち見てんじゃねーぞ」
クラ
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