暁 〜小説投稿サイト〜
東方守勢録
第十三話
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
すぐに自信に満ちた表情にしてしゃべりはじめた。


「はい。文は私のライバルですが……それゆえに、彼女のことを認めています。彼女は必ず……ここにやってきます」

「ふん……そうか」

「どうやら、それは正解なんじゃないかな?」


そういって諏訪子が指差すところには、不気味なスキマが展開されていた。


「あれはスキマ妖怪の……」

「……あっ! すいませんお待たせしました」


そういいながら出てきたのは例の烏天狗と外来人だった。

外来人を見た瞬間、三人は一瞬顔をこわばらせたが、この前文が話していたこともありすぐにもとの表情に戻していた。


「遅かったじゃないか。その分、きちんとした情報をもってきたんだろうね?」

「はい。情報どころかそれ以上のものを」

「それ以上? いったいなにを……!?」


神奈子は文の背後をみて驚いていた。

見覚えのある緑のロングヘアー・見覚えのある服装。忘れるはずもない少女がその場に立っていた。


「神奈子様……諏訪子様……」

「ご本人を連れてきました」

「早苗……」


突然の出来事にまだ驚いているのか、神奈子は以前と目を見開いたまま動こうとはしなかった。早苗はそんな神奈子にゆっくりと近寄ると、急に頭を下げた。


「すいませんでした!」

「……」

「すべて私が悪かったんです。それが原因で……あいつらに手を貸してしまいました」

「……」

「神奈子様と諏訪子様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。謝っても謝りきれないのは承知で……」

「もういい」


必死に詫びようとする早苗を、神奈子はその一言で止めた。


「えっ……」

「もういいと言ったのだ。無事で帰ってこれたなら……それでいい」

「神奈子様……」


神奈子は恥ずかしくなったのか、そのまま後ろを向いて早苗と目を合わせようとしなかった。


「まったく……神奈子も素直じゃないね〜」

「うるさい……」

「まあ、何はともあれ、お帰り……早苗」

「諏訪子様……」


二人の気持ちを受け止めた早苗は、軽くな涙を流していた。


「いや〜ほほえましいですね」

「それもそうだな」


そんな三人を見ながら、俊司と文は一息ついていた。


「天狗、あと外来人の少年、よくやった……礼を言うぞ」

「いえ、偶然脱出する際にともに行動できただけでしたので」

「そうか……いったい何があったというのだ?」

「はい。簡潔に説明させていただきます」


俊司はここにいたるまでにおきたことすべてを、簡潔になおかつ詳しく話し始めた。神奈子と諏訪子は、俊司が話を終えるま
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ