第十三話
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すぐに自信に満ちた表情にしてしゃべりはじめた。
「はい。文は私のライバルですが……それゆえに、彼女のことを認めています。彼女は必ず……ここにやってきます」
「ふん……そうか」
「どうやら、それは正解なんじゃないかな?」
そういって諏訪子が指差すところには、不気味なスキマが展開されていた。
「あれはスキマ妖怪の……」
「……あっ! すいませんお待たせしました」
そういいながら出てきたのは例の烏天狗と外来人だった。
外来人を見た瞬間、三人は一瞬顔をこわばらせたが、この前文が話していたこともありすぐにもとの表情に戻していた。
「遅かったじゃないか。その分、きちんとした情報をもってきたんだろうね?」
「はい。情報どころかそれ以上のものを」
「それ以上? いったいなにを……!?」
神奈子は文の背後をみて驚いていた。
見覚えのある緑のロングヘアー・見覚えのある服装。忘れるはずもない少女がその場に立っていた。
「神奈子様……諏訪子様……」
「ご本人を連れてきました」
「早苗……」
突然の出来事にまだ驚いているのか、神奈子は以前と目を見開いたまま動こうとはしなかった。早苗はそんな神奈子にゆっくりと近寄ると、急に頭を下げた。
「すいませんでした!」
「……」
「すべて私が悪かったんです。それが原因で……あいつらに手を貸してしまいました」
「……」
「神奈子様と諏訪子様には大変ご迷惑をおかけしてしまいました。謝っても謝りきれないのは承知で……」
「もういい」
必死に詫びようとする早苗を、神奈子はその一言で止めた。
「えっ……」
「もういいと言ったのだ。無事で帰ってこれたなら……それでいい」
「神奈子様……」
神奈子は恥ずかしくなったのか、そのまま後ろを向いて早苗と目を合わせようとしなかった。
「まったく……神奈子も素直じゃないね〜」
「うるさい……」
「まあ、何はともあれ、お帰り……早苗」
「諏訪子様……」
二人の気持ちを受け止めた早苗は、軽くな涙を流していた。
「いや〜ほほえましいですね」
「それもそうだな」
そんな三人を見ながら、俊司と文は一息ついていた。
「天狗、あと外来人の少年、よくやった……礼を言うぞ」
「いえ、偶然脱出する際にともに行動できただけでしたので」
「そうか……いったい何があったというのだ?」
「はい。簡潔に説明させていただきます」
俊司はここにいたるまでにおきたことすべてを、簡潔になおかつ詳しく話し始めた。神奈子と諏訪子は、俊司が話を終えるま
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