第178話
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無駄には出来なかったはずだ。」
親船の名前を出されて、怯む。
「そ、それでももうちょっとやり方が・・・」
「時間がなかったんだ。
それくらい了承しろ。」
「それくらい、って言葉で片付けられないほどのモノを体験したんだけどな。」
ため息を吐きながら、五和が戻ってくるまで待つ。
一〇分くらいして、肩に大きめのバッグを背負い、服を着替えた五和が戻ってきた。
「お、お待たせしました。」
まだ顔を少しだけ赤くしながら、二人は五和の服に眼をやる。
彼女の服装は、アイスクリームのような薄い緑色のブラウスに、ふくらはぎが見える程度の長さの、焦げ茶色のパンツ。
ブラウスの生地は太陽にかざすと透けてしまいそうなほど薄い。
五和はそれを、ボタンで留めるのではなく、おへその上辺りで布地を強引に縛っている。
裸の上半身の上から、直接。
下には何も着ていない為か、胸の谷間が妙に強調されているような気がする。
上条はギョッとした顔つき、麻生は苦笑いを浮かべながら。
「五和さん?」
「お前・・・」
「しっ、仕方がなかったんです!
元々、タンクトップの上から羽織る事で服装の印象を変えるためのアイテムだったんですから!
何も言わないでください何も言わないでください!」
羽織るようなのか、よく見るとブラウスにはボタンがない。
前で縛る以外に留める方法はない。
彼女自身、今ある手持ちだけでは無理がある事は承知していたのだろう。
二人の何とも言えない視線を受けて身を縮こませてしまった。
「んで、これからどうする?」
あまり服に関して話を進めると、五和がひどい事になりそうなので、さりげなく麻生がフォローを入れる。
それに心を打たれながらも、五和は話に乗っかる。
「ツチミカドさんの事はよく分かりませんけど、お二人もC文書を回収しに来たのなら、その方と合流するまで行動を共にしませんか?」
「フランス語も分からないし、パスポートもないし、俺達としてはありが」
「俺はフランス語、話せるぞ。」
「・・・・・・・・嘘だろ?」
「いや、何で嘘つく必要がある。」
信じられないような表情を浮かべる上条。
どうも、同じ高校に通い、馬鹿という括りに入っていると思っていたが、蓋を開ければ学力の差がありすぎて妙な敗北感に打ちひしがれる。
ネガティブな雰囲気を出しながら、首を垂れる上条を見て戸惑いながらも話を続ける。
「と、とりあえずは一緒に行動する形でいいですか?」
「ああ、問題ない。」
「では、落ち着いて座れる場所に移動しましょうか。
色々と話をする必要があるみたいですし。」
五和の提案を受け、上条は自分の格好を見下ろして。
「思いっきりず
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