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ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode1 旅立ち
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ていた。

「面白いじゃん。お前」

アキはあくまで自然体のままで、口元に獰猛な笑みを浮かべた。そして

「…っ!」
「はんっ!」

俺の精一杯の打ち込みをアキが軽く受けた。こんな華奢な腕で良くそんな軽々――

「…そっか、レベル差か」
「今頃?」

打った剣が押し返され、続けざまに剣撃が俺を襲う。それをなんとか防ぎ続ける。俺のすぐ前で、アキが無邪気とも獰猛とも取れる表情で攻撃を続ける。

「なぁんだ、案外筋いいんじゃん。何かスポーツやってたの?」

弾んだその声に防御で必死の俺は返事など返せるはずもなかった。どんどん後退り、まさに防戦一方。

さらに、剣術を習っていたと言ったのに剣も片手剣とおかしな感じだ。まぁ、剣道にも片手の構えもあるらしいから完全に俺の偏見であるが。

「ねぇ、守ってばかりで面白い?…仕方ないから一発撃たしてあげるよ」

不意に剣撃が止んだ。相変わらずの自然体で構えらしい構えをしないアキが手で俺を誘う。

「ほら。来なよ」

その頃には、俺の体をなんとも言えない高揚感が包んでいた。

アキの打ち込み方というのが、こちらがギリギリで受けられるように手加減されているらしかった。まるで手解きでもするように徐々にスピードが上げられていき、それに伴って俺の気分も高ぶった。

大上段に構えた剣に光が宿る。

片手剣スキル《バーチカル》

「――!」

無声の気合いを乗せて放った一撃をアキが受けた。打ち方も受け方も初激とほぼ変わらなかったが、ソードスキルの分俺の剣が押し勝った。

が、しかし。

バァンッ!

と、気付けば俺の剣は地面に三分の一ほど埋まっていた。


「ちっ、スキルかよ…」

苛立たしげに呟いたアキの水色の剣がスキル後硬直の俺の体を撫でた。薄い革のコートの前が割け、HPがガクッと減り、初めて見るデュエル終わりの勝敗表示が目の前に弾けた。

当然、俺の負けだ。

「終わり終わり。ジン、行くよ」
「アイテム受け取らなくてもいいのかい?」
「興ざめ」

長い髪をなびかせながら立ち去ろうとしたアキが急に振り返った。

「…ただ、筋は悪くなかった。アイテムは上げるから精進しろ」

そして再び歩き出した。

「…っと、待ちなよアキ」
「ねぇジン。攻略戦っていつ頃?」
「えっと、明日とかかな」
「はっ!?それじゃ間に合わないじゃん!」
「アキが戻るって言ったんだよ?」
「いてっ、叩くなよぅ――」

取り留めもない会話をしながら去る二人を俺は黙って見送った。




「なぁカイト。本当にいいのか?」
「何回聞くんだよ。いいっつってんの」

俺とクラインたちは村の出口にいた。昼過ぎという時間も手伝っ
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