第十六章
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「そしてその通りになった。そしてだ」
「そして?今度は」
「アンク君は人間になったな」
このこともだ。鴻上は指摘した。
「そうだな」
「あいつは。確かに」
「君はわかるな」
「はい、あいつは人間です」
紛れも無くそうだとだ。火野も断言した。
「姿形はどうあれ」
「そうなのだよ。姿形で人間なのかどうなのかは決まらないのだよ
「心ですね」
「だからグリードも人間になれるのだよ」
そうだというのだ。アンクだけではなくだ。
「そう。あの四人のグリード達もだ」
「彼等もですか」
「その通り。彼等の仕草は常に人間的ではなかったかね」
「あ・・・・・・」
言われてだ。火野ははっとした。そしてだ。
伊達や後藤達もだ。ここでそのことに気付いたのだった。
「そういえばあの連中もかなり」
「人間の感情があった」
「ってことはやっぱりあの連中もか」
「人間だったのか」
「アンク君が人間になった様に彼等も完全な人間になれたのだよ」
また言う鴻上だった。
「そう。そしてだ」
「そして?」
「そしてというと」
「君達は埼玉アリーナに行きだ」
そのうえでだというのだ。そこでだ。
「その人間を見ることになるのだよ」
「アンクをですか」
「そう。君達次第でだ」
そうなるとだ。鴻上はさらに話していく。
「おそらくグリードの大群に仮面ライダーエターナルもいるだろう。後はだ」
「後は?」
「彼等四人も。姿形だけは出て来るだろう」
メズール達四人だ。滅んでいるが姿形だけは甦って出て来るというのだ。
「それだけに激しい戦いになる。しかしだ」
「しかし?」
「素晴らしいじゃないか!」
ここでだ。鴻上は両手を高々と左右にも広げて掲げて叫んだ。
「それもまただ。勝利の先に手に入れるものがあるのだから」
「どうやらこの人はな」
「そうだね」
左とフィリップは暫く黙っていた。しかしだ。
鴻上のその話をここまで聞いてだ。そのうえで二人で話すのだった。
「全てをわかっていてそれで動いているな」
「手を打っているね」
「伊達に元ライダーだった訳じゃない」
「そういうことだね」
「先の先を読むのは基本だ」
左はその目の光を強くさせて述べた。
「だがそれをできる奴はだ」
「滅多にいないね」
「そうだ。しかしこの会長はできている」
「そして万全の手を打っているね」
「見事な位にな」
こう話すのだった。そしてだった。
左はだ。鴻上についてだ。こうも述べたのだった。その彼を見ながら。
「派手な動作や祝福の言葉もだ」
「ただそうしているだけじゃなくて」
「そうだと思う。意味がある」
「そしてその意味は」
今度はフィリップがだった。その頭脳を活かしてきた。そうしてだ。
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