夢心地は人心地
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「───はは」
思わず、二人で軽く微笑した。
今時のライト草子でもしないような友情美談を、まさかあの馬鹿二人がしていたというのは本気で驚きの事実である。
成程、流石は武蔵が誇る馬鹿二人である───実に面白味がある王と頼もしい剣である。
「おや、お二人とも、ここは自分達が今から見張るので先にお休みをするで御座る。女衆は先に寝ても構わんで御座る」
「というか、女は先に寝とけ。こういうのは、男の仕事だろうが」
目の前の女二人が慌てて、こちら……というよりはシュウ殿の方を見ている。
その態度から、大体の事を予想できたので、幸運な事に、何故、自分を驚いて見ているのか、理解できていない彼の注意を逸らす位はしてもいいだろうと思い
「シュウ殿。どうやら、二人は共通の悩みを相談し合っていたご様子で……だから、気にせず、ほら。上げていこうで御座る」
「共通……あ。ああ、Jud.Jud.そういう事か、すまねえな……希望を失わせないように言うが、成長期はまだ少しだけあるわなぁ」
「……点蔵? 後で、お話がありますので、お忘れないように……!」
無視する。
悪いのは自分ではない。隙を見せた人間が悪いのが武蔵ルールなので、自業自得である。正純殿も半目で、此方を睨んでくるが、最近、そういう系のスキルを習得しつつあるで御座るなぁ
それにしても、武蔵はちゃんと罪が誰にあるのかが解るルールで御座るなと思いつつ、まぁまぁ、とミトツダイラの怒りを鎮める。
「とにかく……ここは、自分とシュウ殿に任せて早く眠るで御座る。二人とも、慣れない生活で疲労していられる様子なので、眠気に任せるのが一番で御座る」
「ほほう……じゃあ、偶に俺が智の射撃を受けて、暴力的な眠気が起きて、つい、眠たくなるのは、これは健康的な事なのかよ」
全員が目を逸らす。
そこで、あー、とか唸りながら、正純殿が
「ほ、本当にいいのか? お前らも、そこまで休んではいないだろう?」
「おい、お前ら……何故逸らす」
無視する。
惚気を聞く元気までは、流石に残っていないのである。ただでさえ、サバイバルなので、明日に補給が来るとはいえ、まだ続くので残しておきたいのである。
「心配御無用。自分もまだまだ大丈夫で御座るし、シュウ殿はその……簡潔に言えば野生化しているから問題はないかと」
「そうか……この前、巨乳物のエロゲをお前名義で通販で買って、お前の実家にトーリと一緒に着いた途端に、『これは、エロゲです。ピーッとなった後に開けないとあっは〜〜ん系な点蔵君の好きそうな男の声が出ます』という録音付のを送ったんだが、どうやら、俺達は友情に報いたらしいな……」
「さ、最悪! 最悪で御座る! どうして、そんなに仲間を地獄に落と
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