夢心地は人心地
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びたいところだが、聞きやしないので無意味と思い、胸の内に押し込む。
「心底ほっとしてくれたのは、ここで英国が攻めなかったことだよな……最初の二、三日は全然眠れなかった……だが、まぁ、本来なら喜んじゃいけないんだろうけど、副長の馬鹿と、二代とお前達がいるとかなり安心感があった……」
「あら? 素直ですわね。恐悦至極に、と騎士として答えましょうか……いえ、どちらかと言うと副長の存在感が一番ですから、私が言うのもおかしな事ですわね」
そんな事はないぞ、とか、副長と第五特務では求められるものが違う、とか答えたいところだが、これをどう思うかは本人だから、外野が言っても無駄かなぁ、とミトツダイラに気付かれないように内心で溜息を吐く。
墓穴掘ったかなぁ、と思ってしまうが、そんな事を思うのがミトツダイラに失礼だろうと思い、直ぐに取り消した。
「とは言っても、あの馬鹿も、何だか時々、やりにくそうにしていたみたいだが?」
「それは、単純に我が王がいないからと思いますわ。馬鹿する時は大体一緒にいましたし」
「……伊達に親友と呼び合っていないかと言えばいいかな」
お互い苦笑するという事は、考えている事は同じかと笑みを深める。
「でも、ああ見えて、本当に最初はあの二人険悪な仲だったんですよ?」
「それは……本気で意外な事実だな」
葵の方はじゃれる程度ならともかく一方的に嫌うなんてことをするようなタイプには見えないし、熱田の方は……どうだろう? ちょっと、微妙に分らん。
「いえ……まぁ、実際は副長が私達との関係を拒否しようとして、総長達は仲良く……というより笑わせようとしていたという感じだったんですけど……」
「となると……熱田が笑わず、周りから孤立しようとしていた……って事なのか?」
Jud.と返される返答に思わず、聞いていいのだろうかという思いを作ってしまう。
梅組のメンバーが全員、距離感が近いせいか、偶に、どこまで自分が聞いてもいいのかと解らない時がある。
気を回し過ぎかとは思うが、止まれるのならば、今、考えてないだろうから仕方がない。
それにしても、熱田がか……
それに関しては驚きは覚えても意外とは思わない。
性格は変わるものであるし、過去なんてものは誰にでもある物であり、そして、勝手に詮索はしないものだ。
だから、何故、周りから孤立しようとしていたかなどという疑問は言わない。
代わりに
「じゃあ、どうやってあの馬鹿達、今みたいに仲良くなったんだ」
「簡単ですわ───副長はいざ知らず、王も男の子だったんですの」
「つまり?」
「盛大な大喧嘩をした後に、仲良くなったんですの」
「───」
思わない答えを聞き、一瞬、思考に空白を打ち込められ
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