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不可能男との約束
夢心地は人心地
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ろうなぁ……」

もう一度救いに来て、と酷く簡単に、でも、ある意味重く告げられた言葉にどうなんだろうな、と再び思う。

「勿論、"おじさん"は絶対に救いに行くよ───君を救った時みたいに手を伸ばすよ」

でも

「今の"大将"の僕はどうだろう」

大将の僕は

「君の言葉を嘘にしないように、君を含めた皆を今度こそ守れるのかな?」



朝日と共に静かな海の光景……というわけではなく、既にそこには無機物と人が活動している仕事場であった。
幸いなくらい洗濯日和な天気に一つの影が生まれる。
外殻で装飾を付けた大型艦。
艦の側面は武蔵アリアダスト学院の紋章とロゴ部分を取り換えた武蔵の紋章。つまり、武蔵の外交艦である。
そのまま、外交艦は岩むき出しの海岸に近づき、そのまま塔みたいに突き立って、ひしゃげた輸送艦に近づく。
そこで、外交艦で一つの姿が舳先に向かって動く姿があった。
トーリであった。

「ホライゾーーーーン! 今、俺がそこに行くぜ……!」

少年はどこから調達してきたのか、空中浮遊用の符を両手で持ち、そのまま

「いやっほぅーーーーーーーーーーーーー!!!」

飛んだ。
距離は甘く見繕ってもまだ五十メートルあるのだが、空中浮遊の術式符はその無理を通す。
そのまま、何事もなく輸送艦側に着くかと思えば、輸送艦側の方でも一人の人物が動いている姿があった。
熱田である。

「丁度いい……てめぇ……そこを動くなよ……!」

彼はそう言って自らの大剣のブーストを開封し、空を飛翔する。
空と海に流体光による絵具を落としながら、外交艦から飛んできた少年に向かって飛んでいき───躊躇いのない笑顔でそのまま剣を振り下ろした。
馬鹿は慌てて、わざわざしなを作って避ける事に成功したが、剣圧を躱すことを計算に入れておらず、衝撃波に巻き込まれて、ぐるぐる回転しながら、お、覚えておけよ〜〜〜〜んという叫びを残して海に沈没した。
どちらの艦にいる人物も一瞬、無言になったが、男子制服の上着を着た女生徒の気にするなというジェスチャーと共に

「作業続行ーーー!!」

一気に慌しくなった。





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