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不可能男との約束
夢心地は人心地
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とりあえず、手紙などが無くなっている事に気付くと彼女も混乱するだろうと思い、置手紙を書き、帰ろうと思ったところで

「あ……」

苦しみに喘いでいるような声が彼女の口から洩れた。

「───」

普段の彼女から似つかわしくない救いを求めるような微かな声に自然と足が止まってしまう。
苦しい、助けて、許して、といった感情が凝縮された音が何時も頼りになり過ぎる長寿族の女の子の口から洩れている。
どうして、と思う感情があることは否定できないが、それよりも気になるのは

「や、ぁ……」

彼女の口調と表情はそのまま下がったもので、それでは丸で

救いを諦めているようで……

だから、どうしてと思う感情は封印し、動いた。

「御免」

自分の言葉に内心で苦笑しつつ、彼女の手……この場合、彼女は悪夢の成果、手すりを結構な力で握りしめているので握り返すことは出来ない。だから、そのまま毛布の上から手を握った。
劇的というほどではないが、効果はあったらしく、彼女の表情から険が抜けていった。
だが、完全ではないということに気付くが、自分にはここまでだろうと思い、手を放す。
最後に、ずり落ちないように彼女にかけた毛布を整え、部屋を出、そして、渡されたあの子からの手紙を開ける。





『おじさんへ
おじさんはお元気ですか。私は元気です。ちゃんとべんきょうもしています。ちゃんと食べて、あそんでねむっています。
もう教どういんが始まって一月です。友だちはまだあまりいませんがおじさんもいるのでだいじょうぶだと思います。本もあるので一人でもだいじょうぶです。
おじさんは知っているでしょうか。さいきん、お空にくもがあります。
びっくりなことに、あのくもの中にはふねがたくさんあるらしんです。どうしてと聞くとせんせいやみんなはせんそうだからと言います。
おじさんはせんそうするんですか。
私はおじさんにすくってもらいました。せんそうはすきじゃないです。
だけど、おじさんはきらいなせんそうで私をすくってくださいました。
もしまたせんそうがあってもおじさんは私をすくってくださいますか。
教どういんのみんなの中にもせんそうを恐がる人がたくさんいます。そのとき私はみんなにおじさんの話をします。何があってもおじさんがいるから大丈夫と言います。
もしまたせんそうがあってもおじさんは私をすくってくださいますか。
言ったことがうそにならなければいいと、そう思っています。』



あの子からの手紙は、戦争に関する不安と期待であった。
その言葉に喜べばいいのか、苦しめばいいのかと思うが、子供の言葉に苦しむなんてものを持ってきちゃあいけないだろ、と思い

「……」

苦笑することにした。
でも

「どうだ
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