夢心地は人心地
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の小説なら、あの馬鹿みたいなのは無双でしょどうせ。す、すげぇ……! もう、俺……あいつに勝てる気がしねぇ……! とか言わせて無双でしょ。ちなみに、アンタは序盤に死んで空に顔を浮かべてそうなキャラ……嫌な出番ね……空を見たら眼鏡だなんて……」
「わ、悪かったね!? いいだろ、無双! 男なら一度は憧れてしまうんだよ! それに、序盤に死ぬキャラは結構、いいキャラで人気や回想シーンを取ったりするんだぞ!」
無双し過ぎたら駄作に落ちてしまうというのもあるのだが。
後半の部分はへーと丸で信じていない。
くそっ、見てろよこの魔女。武蔵常人ランキングとかをすれば、間違いなく、僕は上位ランキングに入れるはずだ。少なくとも君には勝てるはず……!
「馬鹿ね───トップランキングは鈴よ。他は全員ほぼ同率っていうオチ……むかつくわね」
「既にやったのかい!?」
「ええ……コメントにあったのは『最下位を選ぶには外道の種類が違うな』 『正直、鈴さん以外を選べばどれも悪い意味でOK』 『底辺って集まれば山じゃなくて害悪になるんですね』とか。後でネタにしたけど、中々、度胸はあることは認めたわ」
「という事は、僕以外の大抵は反撃したな……」
改めて恐ろしいクラスだと感じる。
でも、だからこそ、今も周りで騒いでいるからこそ、落ち込んでいる自分がまるで馬鹿みたいに思える。
「全く……困ったもんだね……」
溜息一つ。何時も通りのクラスに何時も思っている一言を漏らすのが精一杯であった。
フェリペ・セグンドは今、猛烈に息を殺していた。
忍者じゃないので、そんな凄い気配隠蔽とか出来るわけではないのだが、それでも、我流隠蔽を以てセグンドは一世一代の勝負をしていた。
疾しい事をしているというわけでもなく、極悪な事をしようとしているからとかいうわけでもなく、こそこぞするのが好きだからというわけでもなのだが。いや、こそこそするのが好きかもしれない。目立つのは苦手だし。
まぁ、今回のは実に仕方がない状況なので仕方がない。
今の自分は三征西班牙、アルカラ・デ・エナレスにある生徒会及び総長連合の統合居室に息を潜めている。
息を潜めている理由は別にここが、入ってはいけない秘密の部屋でバれたらえらいことが起きるとかそういうのではない。
というか、一応、仮にも総長なので大抵の場所には入れるから、こそこそする必要など一切ないのである。
では、何故かというと
「……フアナ君」
彼女の姿はある。
何時も通りの彼女の姿であるが、どうやら眠っているようである。
しかも、圧縮睡眠の符での四倍圧縮。正直、無茶しすぎと言いたいところではあるが、柄でもなければそんな関係でもないから言えない。
自分の元になんかいなければ、恐らく、も
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