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不可能男との約束
夢心地は人心地
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が何を言うのだか。
そして、ナルゼは自分と彼が相対した相手の事について問う。

「シェイクスピアが言っていた……13? 第十三無津乞令教導院って聞いて良い?」

「とっても詰まらない話だけど……ネタにする?」

「ネタにしないと思ってたの?」

即答したらネシンバラが何故か額に手を当てて考え込んだ。
何を考え込んでいるのかは知らないが、いいわその恰好。後で、同人誌のネタとして何かに使えるかもしれないわね。あ、やっば、またネタ帳が……!
そしたら、自分の中で都合をつけたのか、ネシンバラが溜息を吐きながら、顔を上げる。

「でもま。期待させておいて何だけど僕も細かな事は知らないんだよ? 中にいる時は単純にやな事ばかりの場所だなぁくらいだったし。正直、そこまで思い出したい場所じゃあなかった」

「中にいる時はって事は、外に出た時に一応、調べたって事でしょ」

まぁね、と答える眼鏡を見て、前置きの長さに嘆息する。
小説家の職業病だろうかと指摘したいところだが、同人誌作家の自分も他人のことは言えないであろうとは流石に思うので自重する。

「まぁ、調べた結果によるとどうも三征西班牙(トレス・エスパニア)の前総長の孤児院施設みたいでね。子供の時から英才教育ってやつだね。別に、それだけなら、全然特別でも、おかしくもないんだけどね」

「つまり、そこは特別で、おかしな所があったって事?」

Jud.の返答を聞き

「───襲名者を作る所だったんだ」




ナルゼが瞳の形を変えたのを見て、だよなぁと思う。
これを調べた時の過去の自分もそんな風に瞳の形を変えたというのを思い出す。

「カルロス一世は三征西班牙と神聖ローマ皇帝総長を兼任していて、三征西班牙側よりも、むしろ
M.H.R.R.(神聖ローマ帝国)よりでね。だから、三征西班牙は総長が欠けることが多いから、その穴埋めの為に襲名者を重ねたり、多くを得ることで個人の権力で国を強化していったというわけ。でもま、それが貴族とか商人の子孫なら利権問題が生ずるし、事故とかで襲名者が死んだ場合、即座の穴埋め要員が必要だしね。感情云々を省けば、かなり効率的に国を回して、強化することが出来る事業だっただろうね」

「その肝心の感情を口に出す気はないの?」

「いやぁ、別に今更、過去の事についてとやかく言う気はそこまでないよ───まぁ、強いて言うなら僕の代で終わってよかったんじゃないかなって。仲間が一人死にかけてね」

「───」

ナルゼ君が口籠るのを敢えて無視して、努めて軽く言うようにする。

「まぁ、かなり出来る子だったんだとは思うんだよ。少なくとも僕よりは。言葉を使わせたら、何て言うかな……言葉を選び取るセンスって言えばいいかな? そういうの
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