夢心地は人心地
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第四階層の海を見回すことができる場所で毛布を着込んで座っていういるのはネイト・ミトツダイラであった。
海が近くに面していることもあり、静寂とは言えない空間ではあるが、夜の星や月明かりなどを見ていると、それなりに雑音を排除できる。
もっとも、排除したら見張りの意味がなくなるのだが。
こういう静かな夜も慣れてきたが、最初は懐かしいと思ったものだ。何せ、周りは外道しかないので、夜でも色々と騒がしい。
まさか、暇だからと言って家に突如侵入してきて、エロゲ爆撃をしてきた王がいたが、張り倒してしまった自分は不忠ではないはずだ。
同時刻に、智の方にも似たような被害を副長から受けて、同じような仕返しをしていたので、つまりは、前例があるのできっと大丈夫。
……というか、どうして巨乳物や背の高い姉系エロゲなどを私に爆撃するんですの?
嫌がらせだろう、と一瞬で結論がついてしまうのは仕方がないことだ。
ちなみに、副長は拉致が明かないと思ったのか、そのまま智の胸に突撃しようとしたらしく、つまり、玉砕だ。潔いという評価は間違っていると思うので、変態だったという結論の方が正しいだろう。
「……いや、最初にどうして、こんなあんまり思い出したくないような思い出を思い出しているんですか私……」
思わず、声を出して生まれた頭痛に手を当ててしまう。
何故、青春を謳歌しているはずのこの年代で、いい思い出という嘘でも語れるシーンを思い浮かべることができないのだろうか。
それとも、青春だからこそ、こんな馬鹿みたいなことをしていられるのか?
……まぁ、こんなのを言っても、赤の他人が聞いたら幸せな世迷い事といって切り捨てられますわよね。
最も、馬鹿げたことは、それを違うと言えないところだろう。
離れてみて考えると、武蔵はかなりおかしい場所ですわね、と冷静に考えると足音が聞こえてきたので、あら? と首を傾げる。
敵の音ではないことは、聞き覚えがあるという記憶野の引き出しで理解している。だから、続いての言葉が誰かは直ぐに理解できた。
「交代しよう、ミトツダイラ」
振り返った先には、上着を脱ぎ、インナーシャツの袖を外した正純。
予想通りの人物ではあったが
「二代か、もしくは点蔵ではありませんの?」
「そこで、熱田の馬鹿が出ないのはどういう事なんだ?」
「副長は……その……言葉を選んで答えれば、護衛対象ごと斬ってたり、破壊しそうなので……」
「分かりやすい未来予想図だな……」
二人して項垂れるが、能力的に仕方がないだろう……そう……能力的……きっと……。
同じ悩みを思い浮かべたのか、正純も溜息を一つ吐いて、話題を戻す。
「二代はホライゾンの所だ。ホライゾンの侍として、今夜がサバイバル最後の夜だからこそ、気が抜
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