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SAO編−白百合の刃−
SAO38-大自然の迷路
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から、安心して」

 狙撃者はそう言うと後ろにいる漆黒にニコッと微笑むと、ガン無視される。悪い人ではないだろうけど、良い人でもなさそうだね。



『大自然の迷路』とは、名の通りの迷路であり、森林系ダンジョンになっている。それは正しかったが、全体的に通してみると想像以上におかしなダンジョンだと理解してしまった。
映るものはほとんどが常識外れ。景色、自然とは言い難いカラフルなパステルカラーに染まっている。青色の巨木、紫色の大木、桃色の樹木など、見慣れている自然の色とそうではない色が交ざり合った森林ダンジョン。目が痛くなるような不自然な色合いの森林ダンジョンに、先頭に立つ赤の戦士が悶絶してしまった。でも、剛姫がなだめてくれたから立ち直りは早かった。
 それと、剛姫が言った通りに、モンスター達は二人一組でのエンカウント率が多かった。しかも、敵さんも戦士や剣士系のモンスターはスイッチを使用してくることには驚いた。今までになかった行動パターンではあったが、それでやられるような軟な私達ではないので、難になることなく切り抜けられた。
 『大自然の迷路』に入って一時間。ここまでに、招かれたプレイヤーの戦闘スタイルはわりと把握はできたと思う。
 まず赤の戦士は見た目と行動通りの攻撃型タイプで片手斧を使用する。でも性格とは裏腹に落ち着いていて冷静。ここぞって時に普段の性格を表すように攻撃を与えている。単に暴走機関車のようだと思ったけど、そうではなかった。ある意味では質の悪い暴走機関車かもしれない。
 次に鋼の騎士、ガチガチの鎧を固めた防御と耐久重視のタイプで盾と片手槍を使用。主に私達のサポートに徹していて、モンスターのスイッチにやられそうになるも彼女が防いでくれて助かっている。装備や戦闘スタイルを見て、頭に浮かんだプレイヤーと一致した。ちなみに赤の戦士も同様だ。
 狙撃者は短剣と投剣スキルを起用に使っている。短剣は自分の身を守るために使用して、主に攻撃は投剣を使っているという珍しいプレイヤーだ。投剣スキルはおまけみたいなものだから、それを主に使っている人は初めて見た。
 剛姫は名の通りの振る舞いをしている。盾なしの片手剣を使い、大胆に攻撃をしかける剛の持ち主と同時に冷静に相手によって対処する判断力。おそらく今まで強い攻略組、特に私の中では兄、キリトが一番強いと思っている。けど、剛姫は同等、それ以上のプレイヤーかもしれない。
 となると剛姫は最強の一角とも呼べるヒースクリフなのか? いや、違うな。ヒースクリフは盾とするならば、剛姫は矛の印象が強い。それに剛姫は盾を使用していないからヒースクリフではない。
 最後に漆黒。漆黒の異名とも呼べるユニークスキル『居合い』で刹那の如し、目に見えない速さで抜刀する軌道は、いつ見ても視界に捉えるのは難しい。
 
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