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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第十六話】
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尊男卑だからかな、強めに言うのは――。


ゴゴンッ……。

 鈍い音がピット内に響き渡り、ピット搬入口が開いていく。

 斜めに噛み合うタイプの防壁扉は重く、重厚な駆動音を響かせながらゆっくりとその向こう側を晒していく――。

 そこにあったのは、【黒】と【白】…。


「ん……?二機?」


 思わず声を出す俺――まさか二機もあるとは思わなかったので――。


「……織斑先生、俺のはどちらですか?」

「左の黒い方だ」


 黒……見た感じは黒ではあるが、優しい感じがする…。

 全ての光を吸収するような漆黒のISが、装甲を解放して操縦者を待っているように感じた。

 白い方のISも見てみると、装甲を解放している。


「……此方のISは?」

「そちらは明日、転入予定の転校生用だ」


 そう言ったのは織斑先生、しかしこの入学式があって一週間ぐらいで転校生が来るとは……。

 まあ今は転校生を気にやんでも仕方ないか。

 考えるのを止め、俺は再び漆黒のISへと目を向ける。


「このISが…」

「はい!有坂くんの専用IS【村雲・弍式】です!」


 光を全て吸収しそうな真っ黒なIS。

 何となく…何となくだが俺を待っていたように見える。


「体を動かせ。直ぐにISを装着しろ。時間がないからフォーマットとフィッティングは実戦やれ」

「……了解です」


そう返事をし、言われるがまま、その【黒いIS】そっと手を触れる――。


「……っ!」


 触れた瞬間、軽く神経に電撃が走るような感覚に襲われるが、直ぐに落ち着き、その触っている手から感じるようにISが俺に馴染んでいくのがわかる。


「有坂、背中を預けるようにゆっくり。――ああそうだ。座る感じでいい。後はシステムが最適化をする」

「わかりました」


 織斑先生の言葉通りに、俺は村雲に体を任せる。

 そして、IS自身が俺を受け止め、体に合わせて装甲が閉じていく。

 カシュッ、カシュッと空気を抜く音のみがピット内に響く。

 村雲に身体を預けてみてわかる。

 借りた訓練機とは違い、ISと俺が繋がる…融和と言うのか適合というのかはわからないが、ただ……そこに感じるのは…ISとの一体感だ。

そして解像度を上げたかのようなクリアーな感覚が視界を中心に広がって、それが全身に行き渡る。


「……ぁ」


 俺は小さく声をあげた。

――戦闘待機状態のISを感知。

 操縦者セシリア・オルコット。

 ISネーム『ブルー・ティアーズ』。

 戦闘タイプ中距離射撃型。

 特殊装備有り――。


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