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月の世界
第二章
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第二章

「私は月の皇帝陛下と知り合いなのです」
「おお、それは凄い」
「いえいえ、大したことではありません」
 嘘なので謙遜も容易にできた。
「そんなことは」
「とにかく月の世界の支配者と知り合いなのだね」
「そうです」
 嘘は続く。
「ですから何時でも月に行くことができます」
「そんな凄い人だったとはな」
「宜しければ一緒に行かれますか?」
 この嘘の最大のポイントだった。
「月の世界に」
「わしをか」
「はい。如何でしょうか」
「嘘みたいな話だ」
 実際に嘘である。だが彼はそれに気付かない。
「そんなことができるとは」
「それでどうされますか?月の世界に行かれますか?」
「そうだな。できればな」
 ここで遂に頷くブオナフェーデだった。
「わしも一緒にな」
「よし、では話は決まりです」
 ブオナフェーデの言葉を受けて頷いてみせたエックリーティコだった。
「では今度」
「うむ、頼むぞ」
 ブオナフェーデはエックリーティコの言葉を受けて満足した顔で頷く。そのうえで彼はエックリーティコの家を後にした。しかしそれで終わりではなかった。
「エックリーティコさん」
「宜しいですか?」
「おや、またお客さんか」
 ブオナフェーデと入れ替わりの形でまた聞こえてきた声を聞いて声をあげる。二人共若い男の声であった。その声で応えるのだった。
「今夜はお客さんが多いな」
「よかったらそこに行くけれど」
「どうでしょうか」
「エルネストさんにチェッコ君か」
 下を見ると赤い羽根帽子に洒落た袖が白いフリルとなった紅の服に白いマントの男と青い服の若者がいた。男は涼しげな顔立ちをしており黒い目は切れ長だ。黒い髪が帽子から見える。紅の服の中は白いフリルのあるシャツ、それと赤い紐のタイである。青い服の若者の袖にフリルはなくただの白いシャツと青い紐のタイである。彼は明るい目をしていて茶色の髪が癖のあるもじゃもじゃとしたものになっている。彼の顔には彫りがあった。
「よかったらこっちに来てくれないか」
「うん、それじゃあ」
「そちらに」
 こうして今度は二人が来た。二人はそのまま屋上に来た。そうしてそのうえでエックリーティコに対してあることを告白するのであった。
「実はだね」
「僕達困ったことがありまして」
「おや、主従揃ってなのか」
 エックリーティコは二人の話を聞いてまずはこう述べた。
「それはまた珍しい」
「若し僕だけだったらチェッコに相談して終わっていたよ」
「私もですよ。私だけだったら」
 二人はそれぞれ話すのだった。
「もうそれでね」
「旦那様が相談に乗ってくれて解決しています」
「ところが二人揃ってだとか」
 エックリーティコは二人の話を聞きながら述べた。
「しかも同じ問
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