第6話 自由
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
のを必死で待った。
エルザ自身、もううんざりだった。
毎日毎日、石を運んでは積み、何かミスをすれば鞭で打たれる。
そんな光景を見慣れてしまったが頭の中で再生される。
そして、その頭の中で再生されたシーンで、ジェラールに助けられた時にジェラールが言った言葉を思い出した。
『もう後戻りはできない。』
『もう戦うしかないんだ。』
「!!!」
そうだ、戦うしかないんだ。
この辛い日々から抜け出して自由になるには戦うしかない。
「(私は戦う覚悟を決めるべきだ!!!)」
ダッ!!
エルザはそう思い、すぐに行動に出た。
「うわぁあああああああ!!!」
「っ!?」
「何だこいつ!?グワァ!?」
エルザは、二人いる神官の内の一人に突進し武器を奪い突き飛ばした。
「「「「「「「なっ!?」」」」」」」
同じ牢にいた人達は驚愕した。自分達の上にたっている筈の神官達を、まだ5歳の女の子が手を出した事に。
「何だこのむす…「ズバッ!!」…ガハァッ!!」
ドサッ……
「はぁはぁ……」
「エ…エルザ……?」
神官は首をきられ、血を流した。
「お前……何て事を……」
「は、反乱だぁぁぁぁぁ!!!」
エルザが行った行動を見て、突き飛ばされた神官が叫んだ。
「な…何て事をしてくれたんだよ!?お前!?」
ザワザワ! ザワザワ!
周りの人達は騒ぎだした。
神官の首を切り殺した事により、混乱しているようだ。
中には、絶望している人もいた。
皆がもう終わりだと言っている
「エルザ、お前……!?」
ロブおじいちゃんが何か言おうとした
次の瞬間!
ドォンッ!!!
「「「「「「「……!?」」」」」」」
大きな音と共に、牢の150メートル位の先に白い煙みたいのが上がっていた。
カシャ カシャ ……
その白い煙の中から何かが歩いてくる音が聞こえてきた。
そして、黒い人のような影が見えた。
『奴隷達につぐ!』
白い煙の中から若い男の声が聞こえてきた。
その声は私達に言っているものだとすぐに気付き、周りの人達、今働いていた奴隷達、そして神官達も静かにその声の言う事に耳をかたむけた。
『西の方にある岸に船がある!』
私はその声を聞いた時、安心感を持った。
『この日々から抜け出し、自由を望む者は!』
私はいつの間にかショウが泣き止んでいる事に気付き、ショウを見た。
今のショウは落ち着いていた。
まるで、母と一緒にいる赤ちゃんのように。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ