第6話 自由
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〜エルザ〜side
はぁはぁ……
私は今、自分の牢に戻るため歩いている最中である。
しばらく歩いていると、自分の牢が見えてきた。
私が歩いてきているのが見えたのか、牢にいる皆が騒ぎだした。
ザワザワッ! ザワザワッ!
「エルザ!」
「姉さん!」
最初に出迎えてくれたのは、私の仲間であるシモンとショウである。
シモンとショウは私の姿を見ると、後一人いない事に気付き問いかけてきた。
「ジェラールはどうした?エルザを助けに行くって……」
「……。」
けど、私は答えなかった。たた震えて黙り込む事しかできなかった。
「……エルザ?」
シモンはそのまま話を続けようとしたが、ロブおじいちゃんが止めてくれた。
「そっとしておやりよ。可哀想に懲罰房でよっぽど酷い目にあったんだろうねぇ。」
それは、私のボロボロで小刻みに震えている姿見て判断したのだろう。
しかし、その考えは半分当たっていて、半分間違えている。
エルザの震えは恐怖心からももちろんきているが、何よりの理由は自分の大切な仲間、ジェラールを残しここに帰ってきた自分の無力さへの怒りと絶望感からきたものだ。
「(私は……私は何もできなかった……。)」
エルザは自分自身を責めた。
自分に力があれば皆をここから解放してあげる事ができるのに。。
自分に力があればジェラールを残して帰る事は無かった。
自分に力があれば自由になれるのに。
「…グスッ……うぅぅぅ……」
私は無力だ。大切な仲間を守る事ができない程に……。
「私は…なんて無力なんだろう……」
エルザがそう言った時、誰かがすすり泣くような声に気づいた。
「……?」
私はその声が聞こえる場所を見た。
そこには、私の仲間の一人であるショウが涙を流していた。
「ヒクッ…グスッ……もうやだ………もうこんなトコやだぁぁぁぁぁっ!!!うわぁぁぁぁぁんっ!!!」
ショウは泣きながら叫んだ。ショウは私達の仲間の中で一番年下で弟的存在。だから、ジェラールという兄的存在はショウにとって、心の支えであった。
その支えがなくなった今、ショウの心は限界に達し泣き叫んだ。
しかし、今ここで泣き叫んだら当然、神官達がやってくる。
そう思っている矢先に、神官達がエルザ達がいる牢へやってきた。
「おい!何の騒ぎだ!?」
そう思っている矢先に、神官達がエルザ達がいる牢へやってきた。
さすがに、ロブやシモン達はマズイと思いショウを落ち着かせようとするが、ショウは泣き止まないどころか神官達の声を聞き余計に泣き叫んだ。
「(ブルブル……)」
私は目を瞑り耳を塞ぎ、その騒ぎをおさまる
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