暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
12話:竜巻と赤き鳥と秘めたる思い
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それが最善の策だと?ざけんな!その場合、少女も含め全員救ってこそ、最善と言えるんじゃないのか!?」
「なら君ならどうする!?」

そう言いながら振りかぶられるクロノの右拳。それはまっすぐ俺に向かって飛んでくるが、俺は左手で受け止める。

「君がもしそんな状況に立たされたなら、同じようにするんじゃないのか!?」
「少女一人を犠牲に世界を救う?違うな!俺はその少女も世界も、全部きちんと救う!」

掴んだ拳を横にずらしながら叫ぶ。

「そんな都合のいい事があるか!何かを救う為には、何かを犠牲にしなくては行けないときだってある!」
「だが俺は、そんな犠牲を生み出して救った世界で、胸を張って生きてはいられない!もしその子が救える状況があったとしたら、なおさら俺は後悔する!」

そして掴んでいた拳を放し、胸ぐらを掴んでいた手も弾く。

「今アイツは俺達で救える状況にある。だから助けるんだ」
「なら君は、一体何の為に戦う!君の正義は、一体なんだ!?」

再び転送装置へ歩みを進めるが、すぐにクロノの言葉で足が止まる。

「そこまで言うなら、君にだってそれなりの正義がある筈だ!それなりの、戦う理由がある筈だ!答えろ!」

俺はその言葉を聞き、再びクロノに体を向ける。

「先に言っておくが、俺にはお前ら管理局の正義のような、大それた正義は持ち合わせちゃいない」
「何…!?」

俺のセリフに顔をしかめるクロノ。だが、そんなのはどうでもいい。

「俺の戦う理由は、世界を救いたいだの守りたいだの、そんな大きな物じゃない。俺は、この先絶対に後悔しない為に戦う。俺の目の前で、誰かが苦しんで、その人の笑顔が消えるのが嫌なんだ。
 だから戦うんだ。この手が届く範囲で、この両手と両腕で抱えられるだけののものを、大切だと本気で思える人達を守る為に!その人達の笑顔を守る為に!」

クロノは俺の言葉を聞いても、一言も言葉をもらさない。俺は三度背をクロノに向ける。

「これが俺の正義、戦う理由だ。それが誰かにきれい事だと言われようとも、お前らの言う「現実」よりかは、かなりマシだ!」
「なら…それを行ったせいで、君が世界から妬まれるとしても…君はそれをできるのか!?」
「世界がなんだ!今の俺には、世界を敵に回してでも、守りたいものがある!それを守ったが為に、世界が俺を『悪』だと言うのなら――――



――――俺は『悪』にだってなってやる!!」



そして足を動かす。途中、ユーノと顔を合わせるが、ユーノは先程とは違った表情をしていた。

[士。君の覚悟、聞かせてもらったよ]
[ふんっ…」
[それじゃあ、転送の準備始めるから、中に入ってて]
[わかった]

念話で話しかけられる。ユーノの言葉をまともに受
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