暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
12話:竜巻と赤き鳥と秘めたる思い
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ど、これが現実…」
「でも…」

リンディさんもそう言い、なのはは完全に反論しなくなってしまった。

[…ユーノ、ちょっといいか?]
[士?どうしたの、こんな時に?]

そんな中、俺はユーノに念話をつなぐ。急に話しかけられたユーノは驚きながらも返事をする。

[アイツらの結界内へ俺を転送することはできるか?]
[転送?できるけど、リンディさんやクロノはああ言ってるし]
[できるんだな?]
[う、うん……]
[なら頼む]

それだけ言って、俺は踵を返す。後ろにいたユーノは少し難しい顔をしてこちらを見ている。それでも俺はアースラにある転送用の装置へと向かう。

「待ちたまえ!」

するとそこにクロノの声が響き渡る。俺は進める足を止め、振り返る。そこにはデバイスをこちらに構えた、下にいた筈のクロノと、こちらを見るなのはとリンディさんがいた。

「士、君は今何処に行こうとしている?」
「何処って、決まっているだろ。地上に向かう」
「さっきも言ったが、僕達が動く必要はない。彼女はいずれ自滅する」

デバイスを構えたまま言うクロノ。俺とクロノの目線は今、お互いの間でぶつかっている。俺はちゃんとしていなかった体をクロノへ向ける。

「それは…この世界を守る為の選択か?」
「そうだ」

俺の質問にクロノはすんなりと答える。俺は一瞬眉を動かす。俺は一歩一歩クロノの元へ向かいながらクロノに問う。

「ならお前は、何の為に戦う。お前の正義はなんだ?」
「僕は管理局の正義の為に、世界を…世界の人々を守る為に戦っている」

俺に向けていたデバイスを縦にし、こちらを見据える。

「………ふん!」
「がっ…!」

クロノの目の前に着いた俺は、拳を握りクロノの頬を殴る。クロノはそれを避ける事ができず、アースラの床へ倒れる。

「っ、君は…!」

何かしゃべろうとしたクロノに、俺はまたがるように立ち、胸ぐらを掴み少し持ち上げる。

「管理局の正義だぁ?ふざけるな!てめぇはそんな薄っぺらい正義の為に戦ってるっていうのか!?」
「薄っぺらい正義だと…ふざけてるのは君の方じゃないのか!?」

倒れていたクロノは俺の手を弾き立ち上がる。そしてすぐに俺の胸ぐらを掴み返す。

「そうだ。他人から与えられた正義をただ掲げるだけなら、誰だってできる!そんな正義で、世界なんかが救えるものか!」
「なんだと!?管理局は数々の世界を救ってきたんだぞ!」
「ならお前は、アイツのような少女を一人だけ見捨てて、世界を救ったとして……『世界を救った』と、お前は胸を張れるのか!?」
「っ!?」

俺の一言に目を見開くクロノ。だがすぐに表情を戻し、俺を睨んでくる。

「それが世界にとって最善の策なら…」

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